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「きぼう」日本実験棟において、ライフサイエンス実験である「国際宇宙ステーション内における微生物動態に関する研究(通称:Microbe)」(代表研究者:槇村浩一 帝京大学医真菌研究センター教授、那須正夫 大阪大学大学院薬学研究科教授)の第2回目の実験(Microbe-II)を開始しました。
国際宇宙ステーション(ISS)の内部からは、これまで多種多様な微生物が見つかっています。
Microbe実験は、「きぼう」での微生物の長期間にわたる採取により、どんな微生物がISSに住んでいるかを調べることで、完全に閉鎖され、かつ微小重力というISSならではの特殊な環境における微生物の生態について理解し、宇宙でヒトや機器にどんな影響を及ぼすのかを考える実験です。
実験は全部で3回計画されています。第1回目は2009年8月から9月にかけて実施されました。今回は第2回目となり、微生物採取を3日に分けて行います。10月29日(金)18時30分に、最初のサンプル採取が行われました。あと2回採取を行い、サンプルを冷蔵・冷凍保存して、11月に打上げられる予定のスペースシャトルSTS-133「ディスカバリー号」により地上に回収する予定です。その後、サンプルを日本に輸送し、様々な解析を行います。
サンプル採取は、真菌(カビやコウボ)培養シート、宇宙用に開発した粘着集菌シート、およびスワブ(ポリエステル綿棒)による拭き取りの3種類の方法で行います。例えば、真菌培養シートによるサンプリングでは、真菌を発育させることができる特殊なシートを「きぼう」の機器などに接触させて、その場所にいる真菌をISS内で培養し、観察(写真撮影)した後に、地上に冷蔵状態で回収します。
Microbe実験の詳細はこちらをご覧ください
Microbe実験紹介ページ:国際宇宙ステーション内における微生物動態に関する研究
【代表研究者 槇村浩一 帝京大学医真菌研究センター教授のコメント】
Microbe-IIでは船内実験室運用開始から880日程経過した「きぼう」内環境における微生物のあり方を明らかにします。昨年8月から9月にかけて行ったMicrobe-I実験施行時に比べて、ほぼ2倍の時間が経過したところですが、この14ヶ月の間に様々な宇宙飛行士が「きぼう」で生活し、実験を行いました。そのようなエピソードが船内環境の微生物をどう変えたでしょうか? それともまだクリーンルームのままでしょうか? 「きぼう」の「いま」の微生物たちの「こえ」を聞くのが楽しみです。
【代表研究者 那須正夫 大阪大学大学院薬学研究科教授のコメント】
今回のサンプリングでは、新規に開発した粘着集菌シートを用います。「きぼう」での微生物モニタリングは、海外の研究者の間でも話題になっており、継続してデータを収集し、積極的に情報を共有することにより、将来の有人宇宙探査に必須となる微生物学的基盤を構築できます。
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