Kibo-ABCニュース:アジアン・トライ・ゼロG 2018の実験テーマ決定
最終更新日:2017年9月 7日
JAXAでは、Kibo-ABC(Asian Beneficial Collaboration through" Kibo" Utilization: きぼうを利用した協力イニシアティブ)の活動の一環として、2017年12月から国際宇宙ステーション(ISS)に滞在予定の金井宇宙飛行士による、アジアン・トライ・ゼロGのテーマ募集を2017年2月から2017年4月まで行ってまいりました。募集の結果、アジア7カ国の361名の学生や若手科学者/若手エンジニアから、合計169件の実験テーマ提案が寄せられました。
応募された提案は、2段階の選考過程を経て最終的に「きぼう」で実施される実験テーマとして選定されます。初回の選考では、提案国のKibo-ABCメンバー機関が中心となって審査が行われ、この審査を通過した提案を各国が持ち寄り、最終選考としてKibo-ABCの全メンバーによる審査が行われます。また、最終選考の過程では、JAXAの専門家や日本人宇宙飛行士による、各実験テーマ提案の「きぼう」での実現性の検討も行われます。
油井宇宙飛行士、大西宇宙飛行士、JAXA担当者による実験提案の実現性検討の様子(出典:JAXA)
最終選考の結果、以下の8つの実験テーマ提案が採択されました。(12の提案を採択し、このうち類似する提案を統合して8つにまとめています。)
今回のアジアン・トライ・ゼロGでの初の試みとして、日本の高校生が考えた実験テーマも「きぼう」で実施されることになりました。また、これまでのアジアン・トライ・ゼロGでは既にISSにある器具を使って実験を行う必要がありましたが、今回、一部の器具を新たにISSへ打上げることとなったため、より自由な発想の実験テーマを行うことができるようになりました。尚、打上げる実験器具の中には、アジアの実験提案者やその国のKibo-ABCメンバーが検討・製作したものも含まれる予定です。
アジアン・トライ・ゼロG 2018選定実験テーマ
タイトル |
回転リングの観察 |
国 |
マレーシア |
実験内容 |
フラフープのように、リングをスティックで回転させ、地上との挙動の違いを観察する。
(出典:ANGKASA)
|
タイトル |
スリンキー内での重さの違う物体の挙動 |
国 |
タイ |
実験内容 |
スリンキーの中に複数の種類のボールを入れ、スリンキーに振動や遠心力を加えたときに、中のボールがどのように動くのかを観察する。
(出典:NSTDA/GISTDA)
|
タイトル |
水と油による二重球の観察 |
国 |
フィリピン |
実験内容 |
水球の中に油を注入し、二重球が形成できるかどうかを観察する。同様に油の球の中に水を注入した場合の観察を行う。
(出典:DOST-SEI)
|
タイトル |
紙バネの動き |
国 |
日本 |
実験内容 |
紙を螺旋状に切り、紙バネを作る。この紙バネの両端に重りを取り付け、無重量下での紙バネの動きを観察する。
(出典:JAXA)
|
タイトル |
針金ゴマの挙動 |
国 |
日本 |
実験内容 |
無重量下でペンチを広げて回転させると、上下が反転するユニークな動きが観察される。この現象を針金ゴマで再現できるか実験する。
(出典:JAXA)
|
実験テーマは技術調整により変更される場合があります。