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NASDAの実験装置


ラックコンフィグレーション


スペースラブ左側 スペースラブ中央 スペースラブ右側
(1)ワークベンチ
(3)電磁浮遊炉微小重力計測装置、
準静的加速度計測装置
(5)収納エリア
(7)宇宙ステーション実験ラック、
剛球物理実験装置
(9)大型均熱炉
(11)収納エリア
A:宇宙加速度計測装置
B:ハイパックデジタルテレビシステム
C:収納品コンテナ
(2)スペースラブ制御装置
(4)スペースラブ標準サブシステム
(6)燃焼実験支援支援装置
(8)燃焼実験装置
(10)液滴燃焼実験装置
(12)グローブボックス



大型均熱炉の概要


MSL−1でNASDAは大型均熱炉(LIF)を搭載して、JEM利用一次選定テーマの内、大型均熱炉で可能な実験テーマの予備的な実験を、JEM利用に向けた準備の一環として実施するほか、汎用的供試体としての実験技術開発を行います。
また、国際協力プログラムとして、大型均熱炉を利用したNASA/米国研究者による実験も実施されます。


実験テーマ(テーマ提案者)
微小重力下の液体金属及び合金の拡散
(伊丹 俊夫 北海道大学)
化合物半導体鉛錫テルルの融液拡散の研究
(内田 美佐子 石川島播磨重工業 技術研究所)
微小重力環境利用によるイオン性融体中の
不純物拡散定数の精密測定
(山村 力 東北大学)
シア・セル法による拡散係数の測定
(依田 真一 NASDA)
Liquid Phase Sintering
(Dr.Randall German,Pennsylvania State University)
Diffusion Processing in Molten Semiconductors
(Dr.David N.Mattiesen,Case Western Reserve University)/a>


MSL−1の大型均熱炉(LIF)は、宇宙の微小重力を利用して、材料の溶融・凝固実験や焼結実験などを実施できる実験装置です。第1次材料実験(FMPT)及び第2次国際微小重力実験室(IML−2)でスペースシャトル軌道上実験を実施した高温加圧型電気炉を改良した実験装置で多くの実験テーマを実施した実績があります。
この装置は、電気炉本体、制御装置、ガス供給装置、真空排気パネルなどから構成されています。また、実験試料は試料カートリッジと呼ばれる容器に封入されており、その状態で電気炉本体に装着され、加熱されます。
MSL−1の大型均熱炉の特徴を以下に示します。


主な仕様
加熱温度最高温度 1600℃
加熱特性室温から1600℃まで80分以内
冷却特性1600℃から45℃まで240分以内
(ヘリウムガスを炉内に導入し冷却の場合
試料温度均一性
試料の長さ100mmに対し

試料の長さ160mmに対て
最高温度と最低温度の差 5℃以下
8℃以下
温度制御
カートリッジ温度設定制度
カートリッジ温度安定性
±3.0℃
±1.5℃
試料寸法最大 Φ26 X 168mm
装置寸法/重量スペースラブ実験装置用ダブルラックの
1/2に相当 約175kg
実験パラメータ変更機能各実験の直前に地上からのコマンドで実験
パラメータの変更が可能
急冷実験機能標準型急冷カートリッジを使用して急冷実
験が実施可能
電気実験機能標準型電気カートリッジを使用して電気的
な実験が実施可能

大型均熱炉の特徴


(1) 基本運用性能

加熱温度1000℃程度以下の中・低温領域での運用性を確立し、数百度から1600℃までの幅広い実験温度での運用に対応できるようになりました。

(2) 優れた拡張性

LIFでは、実験支援装置共通電源等の外部装置により、試料部駆動型実験や電気的な実験への対応を可能としています。また、試料カートリッジには、実験試料の急冷、各種計測など様々な機能オプションを追加した幅広い実験に対応可能な標準型機能カートリッジを開発しています。このように利用者の幅広い実験要求に応えられる装置となっています。

(3) 柔軟な対応性

従来の同型装置では困難であった実験パラメータ(実験運用を行うために必要な運用データ)の一部変更が可能になり、実験直前でも自在な実験パラメータの変更が可能となりました。



大型均熱炉の構成


大型均熱炉は次のコンポーネントから構成せれています。
  1. 真空排気パネル(VVP)Vacuum Vent Panel
    真空排気系の制御を行います。
  2. 制御装置データインターフェイスユニット(LIFE-DIU)
    Large Isothermal Furnace Contorol Equipment-Data Interface Unit assembly
    スペースラブと大型均熱炉のインターフェイス機能を持つ制御装置です。
  3. 制御装置実験部(LIFCE-EXP)
    Large Isothermal Furnace Contorol Equipment-Experiment assembly
    電気炉本体やモータドライバを制御します。
  4. 電気炉本体(LIF-MP)
    Large Isothermal Furnace Material Processing assembly
    内部に挿入された実験試料を加熱・冷却します。
  5. ガス供給装置(GSU)Gas Supply Unit assembly
    ヘリウムガスを貯蔵し電気炉本体に供給します。
  6. バルブアクセスパネル(VAP)Valve Access Panel assembly
    冷却水系の制御を行います。
  7. モータドライバ(MD)Motor Driver (NASDA準備品)
    NASAの実施する実験テーマで使用するモータの制御をします。
  8. 実験支援装置共通電源(C-BOX)Common Electrical Supply Box
    試料部に電流を流したり、電圧を測定する機能を持ちます。
  • オペレーションツール
    実験の操作に必要な小物類で、スペースラブのコンテナに収納されます。
  • スペースラブ大型均熱炉標準試料カートリッジ
    標準型急冷カートリッジ
    ヘリウムガスをカートリッジ中に流すことにより試料を急冷することができます。
    標準型電気カートリッジ
    電気的な実験に対応できます。
  • 高精度拡散係数測定カートリッジ
    シア・セル法により、拡散係数の高精度な測定が出来る標準試料カートリッジです。



 


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