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国際宇宙ステーションの組立フライト ULF6(STS-134)

JAXA搭載品

最終更新日:2011年4月22日

JAXAが行う「きぼう」日本実験棟や国際宇宙ステーション(ISS)での実験に関わる物資が打上げ/回収されます。

打上げ物資(実験用品)

「2D Nano Template」実験用の実験試料サンプル

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地上取得試料の原子間力顕微鏡像(出典:JAXA)

「微小重力環境を利用した2次元ナノテンプレートの作製(2D Nano Template)」実験で使用する実験試料サンプルを運びます。2D Nano Templateでは、対流や沈降が発生しない微小重力環境で、ペプチド-PEGという物質を基板上に規則正しく配列させ、ナノレベルのマスクパターンを作成します。それを地上に回収し、ネガコピー技術によってナノテンプレートを作ります。実験で得られたテンプレートをもとにして大量生産用の基板を作製することで、高品質基盤の量産化への貢献が期待されます。

微小重力環境を利用した2次元ナノテンプレートの作製(2D Nano Template)
(代表研究者:JAXA宇宙環境利用センター/名古屋工業大学)

「Myco」実験で使用する実験用品

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サンプル収集キット(出典:JAXA)

「国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士の身体真菌叢評価(Myco)」実験で使用する実験用品を運びます。Mycoは、人工的な環境で宇宙飛行士に付着している微生物、特に真菌(カビ)の変化を調べることで、今後の宇宙飛行士の健康管理に役立てることを目的としています。

古川宇宙飛行士の「宇宙ふしぎ実験」実験で使用する実験用品

古川宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在期間中に実施する「宇宙ふしぎ実験」で使用する実験用品を運びます。「宇宙ふしぎ実験」は、若田宇宙飛行士、野口宇宙飛行士による「おもしろ宇宙実験」に引き続き、微小重力に代表される宇宙という特殊な環境を活かした、実際に宇宙で試してみなければ結果がわからないような実験を行います。

古川聡宇宙飛行士の「宇宙医学にチャレンジ!」と「宇宙ふしぎ実験」のアイデア選定結果について

「鹿児島宇宙焼酎ミッション」のサンプル(焼酎の酵母と麹菌)

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焼酎の酵母と麹菌(出典:JAXA)

「きぼう」有償利用の枠組みにて、「鹿児島宇宙焼酎ミッション」のサンプル(焼酎の酵母と麹菌)を打ち上げます。このミッションは、鹿児島大学と鹿児島県酒造組合との共同で行われ、鹿児島県内の焼酎会社12社が参加しています。ISSにおける微小重力・宇宙放射線などの環境下で約10日間保管した後に地上へ回収し、その酵母と麹菌を用いて、鹿児島大学では宇宙環境の影響について研究し、酒造メーカーでは新たな焼酎を開発します。

回収物資(実験成果)

「CsPINs」実験用の実験試料サンプル

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キュウリの種を収納した実験容器(出典:JAXA)

「植物の重力依存的成長制御を担うオーキシン排出キャリア動態の解析(CsPINs)」実験の実験試料サンプルを回収します。この実験では、乾燥したキュウリの種を実験容器に入れて運び、細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)に取り付けて発芽させ、実験の目的に応じ条件を変えて成長させた実験試料サンプルを取得します。CsPINs実験では、植物の根の伸び方を制御する植物ホルモン「オーキシン」の動きと分布に関係する2種類のPINタンパク質(CsPIN1およびCsPIN5)の働きについて調べます。

植物の重力依存的成長制御を担うオーキシン排出キャリア動態の解析(CsPINs)
(代表研究者:高橋秀幸 東北大学大学院教授)

「NANOSKELETON2」実験用の実験試料サンプル

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結晶化したサンプル(NANOSKELETON1)(出典:JAXA)

「微小重力環境でのナノスケルトン作製(NANOSKELETON)」の第2回目(NANOSKELETON2)の実験試料サンプルを回収します。この実験では、ULF5(STS-133)ミッション(2011年2月)で運んだ実験試料サンプルをCBEFに取り付け、1ヶ月間実験を行い、実験試料サンプルを結晶化させました。NANOSKELETON実験はナノサイズの構造を持つ材料生産の最適条件を見出すことを目的としており、効率の高い太陽電池や、重油をガソリンに変える触媒の開発への応用が期待されています。

微小重力環境でのナノスケルトン作製(NANOSKELETON)
(代表研究者:JAXA宇宙環境利用センター/東京理科大学)

「Myco」実験で採取したサンプル

ISSクルーから採取したサンプルを回収します。

「Hair」実験で採取したサンプル

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サンプル回収キット(出典:JAXA)

「長期宇宙滞在宇宙飛行士の毛髪分析による医学生物学的影響に関する研究(Hair)」実験でISSクルーから採取した毛髪サンプルを回収します。Hairは、宇宙環境(微小重力環境、宇宙放射線環境、精神的ストレス等)による人体への影響を毛髪分析から評価し、長期宇宙滞在飛行士の健康管理に役立てます。

宇宙日本食の長期間宇宙保管実験用サンプル

宇宙日本食の長期間宇宙保管による栄養素などへの影響評価を行うため、軌道上で保管していた宇宙日本食の実験用サンプルを回収します。このサンプルは、19A(STS-131)ミッション(2010年4月)でISSに運ばれ、軌道上で約1年間保管されました。

宇宙日本食

アジア宇宙機関が提供した植物の種子

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軌道上で撮影された植物の種子とキャスリン・コールマン宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)

宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)で打ち上げられた、アジア宇宙機関が提供した植物の種子を回収します。この種子は、「きぼう」利用に対するアジア諸国の関心の高まりに応え、アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)の宇宙環境利用分科会が実施する”Space Seeds for Asian Future: SSAF 2010-2011”ミッションとして、宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)に搭載して打ち上げられました。回収された種子は各宇宙機関に引き渡され、それぞれの国での教育プログラムや研究活動に利用される予定です。

  • インドネシア
    種子:トマト
    担当機関:インドネシア国立航空宇宙研究所(LAPAN)
  • マレーシア
    種子:トウガラシ
    担当機関:マレーシア宇宙庁(ANGKASA)
  • タイ
    種子:トウガラシ
    担当機関:タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)
  • ベトナム
    種子:サルビア、キンギョソウ
    担当機関:ベトナム科学技術アカデミー宇宙技術研究所(STI)

アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)

「鹿児島宇宙焼酎ミッション」のサンプル(焼酎の酵母と麹菌)

今回のフライトで打上げ、ISSで約10日間保管したサンプル(焼酎の酵母と麹菌)を回収します。

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