JAXA搭載品
最終更新日:2011年4月22日
JAXAが行う「きぼう」日本実験棟や国際宇宙ステーション(ISS)での実験に関わる物資が打上げ/回収されます。
打上げ物資(実験用品)
「2D Nano Template」実験用の実験試料サンプル
地上取得試料の原子間力顕微鏡像(出典:JAXA)
「微小重力環境を利用した2次元ナノテンプレートの作製(2D Nano Template)」実験で使用する実験試料サンプルを運びます。2D Nano Templateでは、対流や沈降が発生しない微小重力環境で、ペプチド-PEGという物質を基板上に規則正しく配列させ、ナノレベルのマスクパターンを作成します。それを地上に回収し、ネガコピー技術によってナノテンプレートを作ります。実験で得られたテンプレートをもとにして大量生産用の基板を作製することで、高品質基盤の量産化への貢献が期待されます。
- 微小重力環境を利用した2次元ナノテンプレートの作製(2D Nano Template)
(代表研究者:JAXA宇宙環境利用センター/名古屋工業大学)
「Myco」実験で使用する実験用品
古川宇宙飛行士の「宇宙ふしぎ実験」実験で使用する実験用品
「鹿児島宇宙焼酎ミッション」のサンプル(焼酎の酵母と麹菌)
焼酎の酵母と麹菌(出典:JAXA)
「きぼう」有償利用の枠組みにて、「鹿児島宇宙焼酎ミッション」のサンプル(焼酎の酵母と麹菌)を打ち上げます。このミッションは、鹿児島大学と鹿児島県酒造組合との共同で行われ、鹿児島県内の焼酎会社12社が参加しています。ISSにおける微小重力・宇宙放射線などの環境下で約10日間保管した後に地上へ回収し、その酵母と麹菌を用いて、鹿児島大学では宇宙環境の影響について研究し、酒造メーカーでは新たな焼酎を開発します。
回収物資(実験成果)
「CsPINs」実験用の実験試料サンプル
「NANOSKELETON2」実験用の実験試料サンプル
結晶化したサンプル(NANOSKELETON1)(出典:JAXA)
「微小重力環境でのナノスケルトン作製(NANOSKELETON)」の第2回目(NANOSKELETON2)の実験試料サンプルを回収します。この実験では、ULF5(STS-133)ミッション(2011年2月)で運んだ実験試料サンプルをCBEFに取り付け、1ヶ月間実験を行い、実験試料サンプルを結晶化させました。NANOSKELETON実験はナノサイズの構造を持つ材料生産の最適条件を見出すことを目的としており、効率の高い太陽電池や、重油をガソリンに変える触媒の開発への応用が期待されています。
- 微小重力環境でのナノスケルトン作製(NANOSKELETON)
(代表研究者:JAXA宇宙環境利用センター/東京理科大学)
「Myco」実験で採取したサンプル
ISSクルーから採取したサンプルを回収します。
「Hair」実験で採取したサンプル
宇宙日本食の長期間宇宙保管実験用サンプル
宇宙日本食の長期間宇宙保管による栄養素などへの影響評価を行うため、軌道上で保管していた宇宙日本食の実験用サンプルを回収します。このサンプルは、19A(STS-131)ミッション(2010年4月)でISSに運ばれ、軌道上で約1年間保管されました。
- 宇宙日本食
アジア宇宙機関が提供した植物の種子
軌道上で撮影された植物の種子とキャスリン・コールマン宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)
宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)で打ち上げられた、アジア宇宙機関が提供した植物の種子を回収します。この種子は、「きぼう」利用に対するアジア諸国の関心の高まりに応え、アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)の宇宙環境利用分科会が実施する”Space Seeds for Asian Future: SSAF 2010-2011”ミッションとして、宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)に搭載して打ち上げられました。回収された種子は各宇宙機関に引き渡され、それぞれの国での教育プログラムや研究活動に利用される予定です。
- インドネシア
種子:トマト
担当機関:インドネシア国立航空宇宙研究所(LAPAN)
- マレーシア
種子:トウガラシ
担当機関:マレーシア宇宙庁(ANGKASA)
- タイ
種子:トウガラシ
担当機関:タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)
- ベトナム
種子:サルビア、キンギョソウ
担当機関:ベトナム科学技術アカデミー宇宙技術研究所(STI)
- アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)
「鹿児島宇宙焼酎ミッション」のサンプル(焼酎の酵母と麹菌)
今回のフライトで打上げ、ISSで約10日間保管したサンプル(焼酎の酵母と麹菌)を回収します。