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国際宇宙ステーションの組立フライト ULF6(STS-134)

第3回船外活動

最終更新日:2011年4月28日
船外活動を担当するフューステル(左)、フィンク(右)両宇宙飛行士

実施日:飛行10日目
担当:アンドリュー・フューステル(左)、マイケル・フィンク(右)両宇宙飛行士

ISLEの実施

クエスト内で船外活動の準備を行う船外活動クルー(STS-133(ULF4)ミッション)

クエスト内で船外活動の準備を行う船外活動クルー(STS-133(ULF4)ミッション)

今回の船外活動では、これまで実施してきた「クエスト」(エアロック)内での前夜からのキャンプアウトは実施せず、当日の朝から体内窒素の排出手順を開始します。

具体的な手順としては、船外活動ユニット(Extravehicular Mobility Unit: EMU)を装着したまま、約50分間、足をゆっくりと交互に動かしたり、腕を回したりする非常に軽い運動を行うことで、血流内の窒素の排出を促進させます。この方法はISLE(In Suit Light Exercise)と呼ばれます。

今回の船外活動でISLEが有効であることが確認されれば、今後はISLEが標準になると期待されています。ISLEの利点は、ISS内のクルーが夜間に分断されて緊急時に対応できなくなるリスクを抑えられるこ とと、酸素の消費量を若干減らせることです。このような船外活動前に必要な準備作業の効率化のための手法開発は継続的に行われています。

「ザーリャ」(基本機能モジュール)外部への電力・通信インタフェース付グラプル・フィクスチャ(PDGF)とビデオ信号変換器(VSC)の設置

電力・通信インタフェース付グラプル・フィクスチャ(Power and Data Grapple Fixture: PDGF)は、国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)の 移動場所として使われていますが、これまでロシアモジュールの外部にはPDGFが取り付けられていませんでした。今回の船外活動でPDGFをザーリャの左舷側前方に設置することにより、ザーリャまでSSRMSを移動させることができるようになります。

ビデオ信号変換器(Video Signal Converter: VSC)は、SSRMSからの映像信号を中継する装置で、PDGFと一緒に設置されます。

PDGF(右)とVSC(左)

PDGF(右)とVSC(左)

ザーリャへの電力供給配線の敷設

ザーリャ外部に敷設される電力供給配線

ザーリャ外部に敷設される電力供給配線

現在、ロシアモジュール側で使用している電力は、米国の太陽電池パドル(Solar Array Wing: SAW)で発電した電力を一部供給しています。しかし、冗長系の電力供給系統がないため、米国モジュール側で電力供給を制限するような事態が起きると、ロシアモジュール側への電力供給にも影響してしまいます。これを解消するため、今回の船外活動で、バックアップ用の電力配線を新たに敷設します。

(特に断りの無い限り、写真、画像は出典:JAXA/NASA)

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