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試験を行う若田宇宙飛行士 |
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試験全景 |
WETS外観 |
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JAXA筑波宇宙センターの無重量環境試験棟(Weightless
Environment Test Building: WET)で、2003年11月17日~22日の間、「きぼう」日本実験棟第5回船外活動手順開発試験が行われました。
今回の試験では、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟、並びにISSへ物資を輸送するため日本が開発している宇宙ステーション補給機(H-II
Transfer Vehicle: HTV)について、手順開発*1および設計検証*2を実施することを目的としています。
*1 手順開発とは、軌道上で宇宙ステーションの組立作業、修理作業等を実施する際にどのような手順で作業をやればよいか事前に手順を開発する作業
*2 設計検証とは、軌道上に打ち上げて船外活動で作業するための設計に問題がないか確認するための試験
船外活動手順開発試験とは
「きぼう」日本実験棟の各要素は2006年から2007年に3回に分けてスペースシャトルで打ち上げられる予定ですが、「きぼう」の組み立て作業にはロボットアームによる作業に加えて宇宙飛行士が行う船外活動(Extravehicular
activity: EVA)が必要です。
船外活動手順開発試験では、このEVAについて、組立手順や宇宙飛行士の移動方法、それらの作業にかかる時間などの確認を行い、より効率の良い組み立て手順を確立することを目的とした試験です。
今回の試験の目的は、「きぼう」日本実験棟の船外パレットとそれに搭載される船外実験ペイロードに係わる船外活動の手順開発を行い、船外パレット打上げ時の船外活動による軌道上組み立て手順を確立することと、宇宙ステーション補給機(H-II
Transfer Vehicle: HTV)の非与圧部補給キャリア(Un-pressurized Logistic Carrier:
ULC)に対する船外活動設計を検証することです。
この試験では、筑波宇宙センターの無重量環境試験棟(WET)内にある水槽(Weightless Environment Test System:
WETS)内に「きぼう」や関連機器のモックアップ(実物大模型)を沈めて、宇宙服*を着た宇宙飛行士が組み立て作業の手順確認や検証を行いました。
* 水中で使用する宇宙服は、軌道上で使用する宇宙服の一部を水中用に改修したものです。
HTVについて |
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HTV打上げ |
HTV外観 |
HTV内部構成 |
ISSに接近するHTV |
廃棄 |
HTVは、H-IIAロケット(能力向上型)によって打ち上げられ、ISSに物資を運ぶための軌道間輸送機であり、補給物資や各種装置などのISSへ輸送、および、用途を終えた実験機器、使用後の衣類などの廃棄を目的としています。 |
今回の試験内容
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試験レイアウト(水槽を真上から見た様子) |
今回の試験では、若田光一宇宙飛行士およびNASAのリロイ・チャオ、デビッド・ウルフ両宇宙飛行士が被験者として、「きぼう」の船外パレットと宇宙ステーション補給機(HTV)の非与圧部補給キャリア(ULC)に関して、EVAについての設計検証を行いました。
潜水回数は1日1回、潜水時間は3~4時間におよびます。
「きぼう」関連
主な検証手順を以下に示します。
- 設計変更後再試験タスク
前回の試験後、設計変更を行った部分に関して、再度確認を行います。船外パレット上の子アーム打上げ装置から「きぼう」ロボットアームの子アームを取り出す手順を行います。
- 水槽試験未実施タスク
以下の手順を行います。
- 船外パレット上の衛星間通信システム曝露系サブシステムより断熱カバーを取り外す手順。
- 船外パレット上の衛星間通信システム曝露系サブシステムに対して打上げ時の固定を解除する手順。
- 船外パレット上の「きぼう」ロボットアーム把持用のグラプル・フィクスチャ(把持部)に対する緊急時の「きぼう」ロボットアーム先端のエンドエフェクタ(把持手)分離手順(グラプル・フィクスチャのロッドを外す)。
- 船外パレット上に搭載されている実験装置の打上げ時の固定を解除する手順。
- 船外パレットの曝露ペイロード取付機構(Payload Attachment Mechanism: PAM)に対して故障発生時にPAM開放を行う緊急手順。
- 船外パレットと船外実験プラットフォーム結合時において故障発生時にペイロード側装置交換機構(Payload Interface
Unit: PIU)分離を行う緊急手順。
HTV関連
主な検証手順を以下に示します。
- 非与圧部補給キャリア(ULC)上のカナダアーム2(ISSのロボットアーム)把持用のグラプル・フィクスチャ(把持部)に対する緊急時のカナダアーム2先端のエンドエフェクタ(把持手)分離手順。
- ULCを搭載したHTVのカナダアーム2把持用のグラプル・フィクスチャ(把持部)に対する緊急時のカナダアーム2先端のエンドエフェクタ(把持手)分離手順(グラプル・フィクスチャのロッドを外す)。
- ULCからHTV-曝露パレット(EP)を取り出す際の拘束分離機構故障に対する緊急分離手順。
- ULCからHTV-曝露パレット(EP)を取り出す際のコネクタ分離機構故障に対する緊急分離手順。
- ULC内にHTV-曝露パレット(EP)を挿入する際のロック機構・軌道上捕捉機構故障に対する緊急に固定する手順。
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HTVに搭載される曝露パレット(EP)の例 |
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今回使用したHTVの一部を模擬した実物大模型(モックアップ) |
船外実験プラットフォームにHTV曝露パレットが結合した様子 |
プレス公開
2003年11月19日には、試験の様子が報道関係者に公開され、若田宇宙飛行士が宇宙服を着て試験を行い、星出宇宙飛行士による解説が行われました。
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試験前に行われたプレスに対する説明会
(左から松枝有人宇宙技術開発グループ長、リロイ・チャオ宇宙飛行士、星出宇宙飛行士)
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報道陣に解説を行う星出宇宙飛行士
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若田宇宙飛行士
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入水する若田宇宙飛行士
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