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「きぼう」日本実験棟インストラクタ技量確認会

船内保管室トレーナ(左)、船内実験室トレーナ(右)
 2001年8月20日から28日にかけて、ESAの宇宙飛行士であるラインホールド・エヴァルド氏とESAコロンバスモジュールのインストラクタであるクリスチャン・シュタインホフ氏を生徒役に迎え、昨年のパイロット訓練の2回目として「「きぼう」日本実験棟インストラクタ技量確認会」が筑波宇宙センターにて行われました。
インストラクタ技量確認会の内容
きぼうシステムトレーナでの訓練船内実験室トレーナ内での訓練
船内実験室トレーナ内での訓練
船内実験室トレーナ内での訓練
 国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗する宇宙飛行士に対する「きぼう」に関する訓練はNASDAが行います。その訓練のひとつに「きぼう」運用訓練があります。これは基礎訓練の次に行われる訓練の一部として位置付けられているものです。

 今回の確認会は昨年11月から12月に行われた「きぼう」船内実験室パイロット訓練に引き続き、「きぼう」の操作方法を訓練するもので、前回の訓練で得られた改善事項を反映し、この秋に予定する本番の訓練へ向けた、最終リハーサルです。
 それと同時に、訓練を行うインストラクタが十分な技量を持っていることを確認することも目的としています。

 通常、宇宙飛行士など被訓練者2人に対して、インストラクタ1名、ならびに設計に携わった開発メーカの担当者がテクニカルエキスパートとして参加します。
 訓練を短期間で効率良く行うために、訓練を受ける宇宙飛行士たちは、事前にテレビ会議で訓練概要についてレクチャーを受け、「ビデオ教材」、「訓練マニュアル」で予習した後、訓練に臨みます。
 復習のための座学による講義の後はトレーナを使って、「きぼう」操作の実践を行います。「きぼう」の操作は可搬型管制端末(SLT:System Laptop Terminal)と呼ばれるラップトップコンピュータによる操作がほとんどですが、宇宙飛行士自らの手による、バルブ操作や機器交換作業も重要なウェイトを占めます。

訓練に使われるのは実物大の模擬施設
船内実験室トレーナ内部
 訓練に使われる、船内実験室トレーナ、船内保管室トレーナとは、「きぼう」の船内実験室や船内保管室を模擬した実物大の訓練設備です。そこには配管やバルブ類、消火器、通信装置などが備わっており、機器の構成、配置などに関する知識を習得することができます。
 きぼうシステムトレーナとは「きぼう」のシステムを制御するコンピュータとSLTを模擬した訓練設備で、機器に対する制御信号の送信や計測・制御データの確認方法などを習得するためのものです。
 このほかに現在NASDAでは、エアロックトレーナ、ロボットアームトレーナ、ロボットアーム(子アーム)トレーナ、実験装置トレーナを整備している最中で、来年以降に使用する予定です。


今後の予定
 ESAのふたりからは、充実した訓練内容であり、インストラクタの指導、コミュニケーション力にも高い評価を得られました。ESAでも訓練はNASDAの方法とほぼ同様に行われ、現在訓練の準備段階であり、来年春以降本格的な訓練が開催される予定です。
 今回の訓練は、パイロット訓練としては最後であり、9月に訓練事前準備確認会(TRR)を開催して宇宙飛行士に対して訓練を行う準備が全て整ったことを確認し、11月からいよいよ本番の訓練が始まります。


最終更新日:2001年 8月29日

 

 

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