|
||||||
基礎訓練の概要 日本で初めての本格的な宇宙飛行士訓練 平成11年2月10日に、新たに3名の国際宇宙ステーション搭乗日本人宇宙飛行士候補者が選定されました。これまでの日本人宇宙飛行士はNASAで訓練を受けていましたが、今回選ばれた宇宙飛行士候補者は、最初に実施される約1.5年間の訓練(基礎訓練と呼びます)を主に筑波宇宙センターで行いました。NASDA(現JAXA)は初めてこうした本格的な宇宙飛行士の養成訓練を実施しました。 基礎訓練は、国際宇宙ステーション(International Space Station:ISS)に搭乗する日本人宇宙飛行士候補者に対し、最初に実施される訓練です。宇宙飛行士候補者は、基礎訓練を終了した後、ISS搭乗宇宙飛行士として認定されます。 その後、ISSに関する運用訓練(アドバンスト訓練)を受け、特定の飛行に割り当てられた後、ISSに滞在する各宇宙飛行士の役割に応じた固有の訓練(インクリメント固有訓練)を受けて、ISSに搭乗することになります。そして、ISSに長期間(3~6ヶ月程度)滞在し、「きぼう」日本実験棟を含むISSの操作、保守、及び様々な実験を行います。
基礎訓練は各国共通 基礎訓練の目的は、ISSに滞在する宇宙飛行士として必要な科学的・技術的知識、技能、語学力、体力、心構えなどを習得することです。また、アドバンスト訓練、インクリメント固有訓練といった、ISSやミッションの内容に特化した訓練を円滑に行うための知識の習得も目的となっています。 ISS計画に参加する各国(日本、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ各国、ロシア)の宇宙飛行士に対する基礎訓練は、各国の宇宙機関が責任をもって実施することとなっており、日本人宇宙飛行士に対しては、NASDA(現JAXA)が訓練を実施します。なお、基礎訓練以降のアドバンスト訓練及びインクリメント固有訓練においては、NASDA(現JAXA)は日本人だけでなく、ISSに滞在する全ての宇宙飛行士を対象に、「きぼう」日本実験棟に関する訓練を行います。 基礎訓練を各国の宇宙機関で実施するといっても、各々が全く異なる訓練を実施してしまうと、その後のアドバンスト訓練といった、各国の宇宙飛行士が集まって一緒に訓練を受ける際に知識の内容やレベルの差が生じ、訓練がやりにくくなってしまいます。そのため、 ISSに関する訓練全般を議論する国際会議において、必要最小限の基礎訓練の内容等を規定したガイドラインが作成されています。 NASDA(現JAXA)が実施する基礎訓練は、これに「きぼう」日本実験棟に関する知識など、日本人宇宙飛行士として熟知すべき訓練項目などを付加したものです。 最終更新日:2001年12月14日
|