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「きぼう」日本実験棟共通実験装置の画像取得処理装置、筑波宇宙センターでプレス公開

画像取得処理装置前面
画像取得処理装置裏面
タッチパネルによる操作
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画像データ圧縮状況表示
DVC-Proテープ
 「きぼう」日本実験棟共通実験装置の画像取得処理装置が工場での組立てを完了し、2001年9月4日、筑波宇宙センターで報道関係者に公開されました。
 画像取得処理装置は、6つのVTRを持ち、同時に最大5チャンネルの画像データを圧縮し、地上へ送ることが可能な実験支援装置です。


画像取得処理装置の目的
 画像取得処理装置は、「きぼう」日本実験棟に搭載される他の実験装置から送られてくる様々な実験画像データを圧縮(MPEG2方式)して、「きぼう」日本実験棟の伝送ラインを通し地上に送ることで、ほぼ同時刻の実験画像を地上で見ることを可能にする装置です。また、地上との電波回線が空いていない時などのために、軌道上でデータをVTRに録画しておく機能も有しており、画像取得処理装置を使用することにより、画像の伝送に関し柔軟な運用が可能となります。


画像取得処理装置の概要
 画像取得処理装置は、6つのVTRを持ち、同時に最大5チャンネルの画像データをMPEG2方式によりデジタル圧縮し、地上へ送ることが可能な実験支援装置です。
 この画像取得処理装置は、VTRの他、データを記録するハードディスクドライブ、搭乗員が操作するタッチパネルを兼ねたディスプレイ及び実験装置や画像の制御を行う制御装置等から構成されます。
 画像取得処理装置は、「きぼう」日本実験棟船内実験室内に設置される材料実験ラックのひとつである「流体ラック」に搭載されます。なお、「流体ラック」には、他に、流体物理実験装置や溶液/蛋白質結晶成長実験装置が搭載されます。
 「きぼう」日本実験棟に搭載された画像取得処理装置から地上へのデータの流れはふた通りあります。ひとつは、日本のデータ中継衛星経由で筑波宇宙センターに伝送されます。もうひとつの経路としては、スペースシャトルや宇宙ステーション補給機(HTV)などにより打ち上げられたビデオテープに記録したものを、スペースシャトルにより回収する方法があります。


画像取得処理装置の必要性
 現在、国際宇宙ステーションにおいて実験を行うために、画像取得処理装置のように集中的に画像の管理(複数画像の同時記録、同時ダウンリンク)を行うような装置を準備しているのは日本だけです。他の国では各々の実験装置(実験ラック)内で、必要な画像を記録するようにしており、また、実験画像として地上で同時にモニタできる画像も、多くの場合1チャンネルのみに限られています。従って、3次元の流体の動きを観察しつつ、地上から温度などのパラメータを変更する必要のある流体物理実験装置などは、画像取得処理装置の複数画像の同時ダウンリンク機能を使うことにより、初めて可能となります。
 さらに、軌道上に6つのVTRを持つことから、地上との通信ができない期間(1日のうちの約半分程度が想定されている)でも、あらかじめタイマー機能を働かせることにより、実験画像の途切れのない取得が可能となります。


今後の予定
 画像取得処理装置は、今後実験ラックへ搭載され、「きぼう」日本実験棟船内実験室との組合せ試験、流体ラックとしてのシステム試験、および地上の運用管制システムとのEND to ENDの通信試験などを経て、NASAケネディ宇宙センター(KSC)に輸送されます。KSCでのチェックアウトの後、「きぼう」日本実験棟船内保管室に搭載され、2006年に打ち上げられる予定です。画像取得用テープは、画像取得処理装置の打上げ後に、別フライトで打ち上げられます。他の実験装置と合わせた軌道上での実際の運用開始は、2006年度以降になる見込みです。


最終更新日:2002年10月31日

 

 

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