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「きぼう」日本実験棟のロボットアームコンソール音響試験

ロボットアームコンソールイメージ図
ロボットアームコンソール

 6月30日から7月6日まで、筑波宇宙センターで「きぼう」日本実験棟のロボットアームコンソール(制御卓、以下コンソール)の音響試験が行われました。この試験の様子をご紹介します。


試験の目的
 スペースシャトル打上げ時に、シャトルのエンジンなどから大きな音響が発生します。この音響環境を模擬して、「きぼう」日本実験棟のロボットアームを制御するためのコンソールがシャトルの打上げ時の音響に耐えられることを確認することがこの試験の目的です。


試験方法
 コンソールのプロトフライトモデル(実機モデル)を使用して試験が行われました。
 音響試験は、音響を負荷する前後に機能性能試験や耐圧漏洩試験を行い、コンソールに異常や変化がないことを確認します。そこで 、試験は以下のように3段階に分けて行われました。

 (1)音響試験前機能性能試験、耐圧漏洩試験、外観検査
 (2)音響試験
 (3)音響試験後機能性能試験、耐圧漏洩試験、外観検査

 機能性能試験では、コンソールの各機器が正常に動作することや、電気的な性能を満足していることを確認しました。
 また、耐圧漏洩試験では、冷却水配管*に実運用時にかかる最大圧力の1.5倍の圧力を かけ、その圧力をかけたことによって、亀裂や変形が発生しなかったことと、ヘリウムガスを使って配管の継ぎ目から冷却水が漏れるような隙間がないことを確認しました。

*コンソールには、自分自身が出す熱を冷却するために、冷却水を通すための管が巡らされています。

 音響試験は、筑波宇宙センターの音響環境試験設備で行われました。コンソールに31.5~10,000.0Hzの帯域で音圧レベルを変えながら音を負荷し、コンソールに取り付けた100個以上の加速度センサーで振動状況を記録しました。
 打上げ時の環境を模擬するため、この音響はものすごい轟音になります。音響環境試験設備の低周波出力は70,000wもあり、平均的な家庭用のオーディオシステム(約150w)と比較すると出力の大きさは約470倍にもなります。

 音響試験の後に、音響試験がコンソールに影響を与えていないかどうか、機能・性能確認試験(外観検査、耐圧漏洩試験)が再び行われました。

加速度センサーの取付作業加速度センサー音響試験設備内に設置された
ロボットアームコンソール
(壁の穴から音が出ます)
音響試験設備制御室


今後の試験について
 コンソールについての試験は、自分の出す騒音が規定値以下であることを確認する騒音試験、自分の出す高周波ノイズが他の機器に影響を与えないこと及び他の機器からの影響を受けないことを確認する試験、メンテナンスのしやすさを確認する保全性試験などのコンソール単体での試験を行っていきます。そしてロボットアームと結合しての試験などさらに大掛かりな試験が行われていきます。

 

最終更新日:1999年 7月 27日

 
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