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開発段階 |
「きぼう」日本実験棟の開発では、開発過程を「開発基礎試験」、「エンジニアリングモデル(EM:Engineering
Model)製作試験」、および「プロトフライトモデル(PFM: Proto Flight Model)製作試験」の3つに分けて実施しています。
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(1) |
開発基礎試験の段階
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実物大模型(モックアップ)によるアクセス性評価試験 |
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開発基礎試験の段階では、開発上重要な構造や電子回路などの機能を検討したり、基本的な設計仕様の妥当性を確認するために、実物大模型(モックアップ)やブレッドボードモデル(BBM)を製作して、必要なデータを取得しました。なお、ブレッドボードモデルは、宇宙用ではなく、地上の一般用部品や材料を使用した簡易モデルです。
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(2) |
EM製作試験の段階
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船外実験プラットフォーム(EF)エンジニアリングモデル(EM) |
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EM製作試験の段階では、機械的、電気的な設計仕様を確立したり、試験方法を確立したり、製造工程を確立するため、フライトモデルに近い形態の技術試験モデルを製作して、必要なデータを取得しました。また、認定モデルを用いた試験では、設計の中に潜んでいるかも知れない欠陥を見いだすため、実際に運用される条件に対して、安全余裕を見込んで、より厳しい条件のもとで試験を実施しました。このように、EM製作試験の段階では、設計および製造方法が、技術要求に適合したハードウエアやソフトウェアを製作するのに適していることを確認して、PFM製作試験の段階へと移行しました。
EM製作試験は、筑波宇宙センターにおいて実施された各要素を結合した全体システム試験が平成10年10月に終了したことにより、全ての作業が完了しています。
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(3) |
PFM製作試験の段階
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船内実験室(PM)プロトフライトモデル(PFM) |
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PFM製作試験の段階では、国際宇宙ステーション本体に取り付けられる実機モデルが製作されます。この段階では、EM製作試験の段階で確立された設計仕様および製造方法で製作された実機モデルに、材料および製造上の欠陥がないことを確認するため、実際に運用される条件の下に、各種の試験が行われます。
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実機モデルの製造、組立、および試験手順 |
コンポーネント単位で製造および試験を行ってフライト品として完成すると、アセンブリ単位、そして、各要素ごとに組み立てられます。そして、それぞれの組み立てが完成すると、アセンブリ単位および各要素毎に試験が行われ、要素ごとに実機モデルとして問題がないことが検証されます。
各要素レベルでの検証が完了すると、国際宇宙ステーション本体に取り付けられた軌道上でのコンフィギュレーションを再現し、きぼう全体の機能・性能を最終的に検証するため、各要素は筑波宇宙センターに集結し、結合されて全体システム試験が行われます。
全体システム試験が完了すると、今後は、打ち上げコンフィギュレーションでの試験を行います。このように、打ち上げコンフィギュレーションで試験を行うのは、きぼうが3回に分けて、スペースシャトルによって軌道上に打ち上げられるからです。全ての試験が完了すると、いよいよ打ち上げです。各要素は、梱包され、アメリカのケネディ宇宙センターへ運搬されます。
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プロトフライトモデル(PFM)全体システム組立・試験フロー |
<同じものを2個つくる?「きぼう」日本実験棟の開発過程>
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製作中のエンジニアリングモデル。
ここで十分に試験が行われます。 |
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宇宙でその機能を100%発揮するため、基本設計には3年間が費やされています。部品のひとつひとつが複雑で精密なものばかりなので、その後の開発も慎重です。まず、実物とほとんど同じ構造の試作品「エンジニアリング・モデル」を作り、試験を繰り返し行います。
次に、試験の結果を受けながら実際に宇宙へ飛び出す「フライト・モデル」の設計を行い、製造されてからもさらに試験が重ねられるのです。
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