宇宙開発事業団宇宙環境利用システム本部JEMプロジェクトチーム
三宅 薫
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試験棟から総合環境試験棟への移送の様子 |
なんといっても試験の準備が一番大変でした。まず、試験場所の確保です。ここ筑波宇宙センターでは、「きぼう」日本実験棟だけでなく、衛星の開発や試験、技術開発を行っています。ですから試験を行うため場所を確保するために、他の部署と調整から始まりました。
やっとのこと、場所を確保してからは試験の準備です。船内実験室の中には実験を行うための実験ラックが搭載されます。船内実験室の認定モデルにその実験ラックの重さや重心を模擬した"ダミーラック"をいれて、スペースシャトルで運ぶときの状態を模擬しました。
今度は、約15トンもある船内実験室とロボットアームの移送です。船内実験室が設置されている宇宙ステーション試験棟から、数百m先の総合環境試験棟まで動かすのに、フォークリフトで約4時間かかりました。
総合環境試験棟に到着するとその中にある特性試験室まで運び込みます。ここからは、建物の中なので、人力で動かしました。15トンもあるものをどうやって運ぶのかというと、エアスケートと呼ばれる圧縮空気を吹き出す台の上に載せて「きぼう」日本実験棟を床から浮かせて押すのです。10人で押しながら6時間かけて汗だくになりながら運び込みました。
こうして、やっと試験実施にこぎつけました。 |