進捗報告
8月13日 17:00CDT(日本時間8月14日 7:00)現在
本日はMFDロボットアームの地上遠隔操作(Ground Commanding=GC)実験を5:19CDT(日本時間17:19)から開始しました。実験は順調に遂行されましたが、スペースシャトルと地上を結ぶ通信システムであるNASAのOCA(Orbital
Communication Adapter)システムのうち、スペースシャトル側のパソコンの不調により実験が一時中断したため、FCERAとINSPECTの一部の実験を実施することができませんでした。後日これら実験を再度実施できるよう、NASAと調整中です。
GC実験は地上のGC制御装置からシャトルを経由してMFDロボットアームを遠隔操作することにより行います。スペースシャトルのような有人の宇宙機上で、宇宙環境に直接さらされた本格的なロボットアームを地上遠隔操作する実験は、世界ではじめてのことです。宇宙飛行士による船外活動やアーム操作にたよらずに地上からのコマンドで
アームを操作することで、国際宇宙ステーションに搭乗するクルーの作業ロードが軽減でき、宇宙実験等に作業時間を有効に活用できるようになることが期待されています。
本日のGC実験は以下の手順で行われました。
- デイビス宇宙飛行士及びロビンソン宇宙飛行士がロボットアームの制御モードを地上遠隔操作モードに切り替え、操作権を地上側に引き渡す。
- あらかじめ地上実験で定めたアームの軌道(アームが動くべき道筋)データを地上からスペースシャトルに送信する。(アームの軌道データは、シャトルのアーム制御装置のメモリに格納されました。)
- 軌道データ送信後、引き続き地上からロボットアームを動作させる実行コマンドを送信する。(実験中は、デイビス宇宙飛行士およびロビンソン宇宙飛行士の両名がロボットアームの動きをモニタしました。)
CDT:米国中部時間