微生物の時間的な変化が判明! 地上でも使える高精度採取法を開発
a)真菌分野
2009年9月に行われた1回目の実験で採取したサンプルには見られなかった真菌を2012年8月に行われた3回目の実験では生きたまま回収し、地上で培養することができました。「きぼう」船内で徐々に微生物による汚染が進行していることを示しています。3回目の実験で取得した綿棒を用いた拭き取りサンプルの分子生物学的解析結果を1回目の実験で得た結果と比較することで、「きぼう」船内の真菌の状態や分布の時間的変化が明らかとなります。
b)細菌分野
1回目と2回目の実験について、いずれも測定ができる限界またはそれ以下という微かな量であったため、正確な評価は困難ですが、綿棒による拭き取り(スワブ)法の結果の比較では後に行われた2回目の実験の方が細菌数が少ない傾向が見られました。これには清掃の影響も考えられるため、清掃直後ではなく清掃前に試料採取を行うよう、スケジュールを考える必要性があります。
この実験で開発されたサンプリングシートを使用した微生物採取法は簡便で精度が高く、その精度の良さから日本の薬事法にサンプリング供試体の例として記載されており、今後国際的な評価を得ることが期待されています。
スワブ(綿棒)
サンプリングシート
綿棒およびサンプリングシートによる採取と微生物検出シート(培養法)による微生物の採取
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