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スペシャルインタビュー 【那須先生編】 vol.4


山口准教授

研究室風景

改めて山口進康(のぶやす)先生をご紹介します。 現在は准教授ですが、実は学部4年生の頃から、那須先生と一緒に研究をしていらっしゃいます。 さっそくですが、シートについてご説明いただけますか。

山口: 「この粘着集菌シートは、検査対象とする表面から細菌などの微生物を回収するためのものです。 剥離紙をはがして粘着面を対象に付着させます。 微生物を粘着面に転写したあと、粘着面表面に回収した微生物を顕微鏡等で観察し、計数します。 特徴としては、拭き取り法には水が必要ですが、この粘着集菌シートだとまったく水を使わずに微生物を回収できます。 また拭き取り法では、試験者によって綿棒を押し付ける強さが変わりますので、検出される微生物の数に個人差が出やすいという問題点があります。 このシートの場合は貼って、はがして、回収するだけですので、個人差が出にくいというのが今までの研究でわかっています。 この粘着集菌シートを使って、ISSのきぼうの微生物モニタリングを進めていきたいと考えています」

お二人にお伺いしたいのですが、実験開始を前にして今はどんなお気持ちですか。

那須: 「まず、一つ一つの作業をきっちりと進めていかなくてはいけないということ。 それから、もう一つ大事なことはこれがゴールではないということ。 もう少し遠くを見つめて、いつまでに何をするのか、常に考えていきたい。 だから、宇宙実験もMicrobe-1、2、3と区切って、1年目、2年目、3年目というかたちになっています。 同時に、この実験の大きな目的というのは、人類の宇宙居住を支援することだと僕は思っています。 そう考えると、きぼうも非常に重要なステップですが、やはり月面基地も視野に入れて、一歩一歩の歩み、ロードマップを自分たちなりに作らないといけませんね。 今から20年後、人類はひょっとすると月に居住しているかもしれない。 遠くのゴールをきちんと見て、大きな枠組みのなかでひとつひとつ何ができるかを考えていくことが重要です」

山口: 「宇宙居住というのはけっして夢物語ではなく、人類にとって必須の事項になってくると思います。 宇宙は地上の常識が通用しない極限環境ですから、何が問題になるかを常に先回りして考えておかなければいけないし、それに対してきっちりと答えを出していく必要がある。 これは研究者としての重大な使命だと思っています」

那須: 「ということは僕たちは、2015年に改めてこの対談を読み直したとしても、恥ずかしくないだけの仕事をしていかなければなりませんね」

人類の宇宙居住に向けた大きな目標ですね。 お二人のような方々の日々の積み重ねが、私たちの未来に飛躍的な成果をもたらすような気がします。 今日はどうもありがとうございました。



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