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スペシャルインタビュー 【那須先生編】 vol.3


黄土高原。 細菌はあらゆるところに生息する。黄砂に乗って数千kmを移動することも分かってきた。


黄土高原を調査する山口准教授(右)。

今お話をうかがったオンサイト、リアルタイムの検出法はMicrobe-1実験で行う予定なのでしょうか。

「残念ながら、今はまだその段階ではありません。 物事には順序がありますし、まずは基盤が何より大切ですからね。 第一段階はあくまで、ISSにはどんな種類の細菌がどれくらいいるのか、ということを調べます。 しかも、水ではなく物の表面を調べるんです」

具体的にどのような検査を行うのですか。

「第1段階の今年度(Microbe-1)は「拭き取り法」です。 綿棒のようなもの(スワブ)で細菌がいそうなところ、たとえばエアコンの吹き出し口や宇宙飛行士がよく手で触れる機器の表面などを拭き取り、そのサンプルを地上に持ち帰って、どのくらいの細菌がいるかを調べます。 来年度から始まる第2段階(Microbe-2)では、僕たちが独自に開発した粘着集菌シートを使って実験を行う予定です」

検査用のキットをお二人で開発されたんですか。

「10年くらい前に作って、今は実用に耐えうるものとなっています。 そもそもそれを思いついたのは、現状の細菌検査に、ちょっとした疑問を感じたからなんです。 これは食品製造現場などでも使われている方法なんですが、寒天の培地をテーブルなどの表面にペタっとくっつけるんです。 ここでちょっと考えてみてほしいのですが、細菌を増殖させるための寒天を検査対象の表面につけるなんて、そこにいる細菌に餌をやるようなものですよね。 それが原因で細菌汚染が引き起こされては大変です。 そこで僕たちは、細菌汚染の心配がなく、かつ簡便で誰でも簡単に使用できる方法がないかなと考えて、粘着集菌シートにたどり着いたんです。 要は、検査したいものの表面にいる細菌をシートにペッタリ転写してしまおう、というわけです。 詳しくは、山口さんに説明してもらいましょうか」



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