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時には中学生を前に講義もします。 高橋先生のお話に生徒たちも興味深々の様子。

レクリエーションの一環でピザ作りに奮闘中。 真剣そのものです。

Hydro Tropi実験にはもうひとつ大きな目的があるそうですが。

「重力屈性、水分屈性それぞれのメカニズムに関わっていると考えられる『オーキシン』という植物ホルモンの働きを調べることが第2の目的です。 根の場合、植物ホルモンが一定の量以上に多くなると、細胞の伸長が抑えられます。 ここでちょっと想像してみてほしいのですが、もし横にしておいた根の上側と下側で、細胞の伸び方に違いがあったらどうなると思いますか。 たとえば、上側の方がより速く伸びたら、根は自然と下に曲がりますよね。 これが重力屈性です。 このとき、上側よりも下側にたくさんのオーキシンが存在するようになります。 このように、オーキシンは局所的に細胞の伸長を抑えることで、結果的に根を屈曲させているのです。 これまでの実験で、この植物ホルモンが重力屈性だけでなく水分屈性においても重要な役割を果たしている可能性がみえてきました。 今回の実験では、重力がない環境においても、オーキシンが根の水分屈性に対して、重力屈性の場合と同じように作用することを証明したいと思っています」

植物ホルモンのオーキシンは根だけでなく、ペグにも何らかの影響をおよぼしているのですか。

「はい。 おっしゃるとおり、ペグ形成とも深い関係があります。 さきほど98年の実験のところで触れましたが、ウリ科植物の場合、胚軸の基部の両側にペグをつくる能力があります。 にもかかわらず、ペグがひとつしかできないのは、重力を感じて上下を認識すると、必要のない上側のペグ形成が抑制されるためです。 では、一体どのようなメカニズムで抑制されるのか。 実は、ここにオーキシンが関わっています。 ペグという突起状の組織をつくるためには、植物ホルモンのオーキシンが必要なのです。 地上研究を通して、上側でオーキシンが必要量より減少してしまうことが、上側でペグができなくなる原因であることを突き止めました」



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