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スペシャルインタビュー vol.1


宇宙は未知の世界。分からないことがたくさんある。それでも、この小さな一歩が大きな一歩になると信じている。

なぜ放射線に興味をもったのですか。

「一般的に放射線というと何か恐ろしいもの、健康に悪影響をおよぼすものというイメージがありますが、社会的なメリットもたくさんあるんです。 たとえば、医学分野ではレントゲンやCT、エネルギー分野では原子力発電などですね。 そうした分野では、放射線が通常より高い環境で働かなければならない。 私は、どれくらいの線量であれば人体に害がないか、そういうことを遺伝子解析のレベルで解き明かしたかったんです」

それが宇宙放射線への興味につながっていったんですね。

「ご存知のように、宇宙では地上の何百倍という放射線が飛び交っています。 これまでも宇宙飛行士が宇宙に長期滞在することはありましたが、今後は国際宇宙ステーションだけでなく、月居住とか火星探査とか、さまざまな計画が持ち上がってきています。 本格的な宇宙時代の到来を前に、宇宙放射線の健康影響を正確に知ることは必要不可欠だと思っています」

いよいよ宇宙実験がスタートしますが。

「放射線の基礎研究をやっている研究者はたくさんいますが、こういうチャンスに巡り合える人は非常に少ないでしょうね。 宇宙は我々が知らないことだらけです。 そうした未知の世界を理解するうえで、私たちの実験はほんの小さな一歩にすぎないかもしれない。 それでも、未知の分野に取り組む足がかりになるだろうと大きな希望をもっています。 宇宙ステーションで細胞をちゃんと培養できるかとか、無事に回収できるかとか、心配の種はまだまだいっぱいありますけどね(笑)」

今回の実験を機に放射線研究は発展を遂げるでしょうか。

「宇宙の生命科学と地上の生命科学はけっして別個のものではなく、宇宙実験の成果は必ず地上にフィードバックされると考えています。 今回の実験で得られる情報も、地上のいろいろな研究の発展に貢献すると思います」



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