「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォーム 第2期利用に向けた候補ミッションの募集の選定結果について
最終更新日:2007年5月28日
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォーム第2期利用に向けた検討作業を実施する11の候補ミッションを選定しました。
選定された11の候補ミッションは、「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォーム第2期利用に向けた候補ミッション募集(平成18年11月21日~平成19年2月16日)に応募のあった提案の中から「国際宇宙ステーション・きぼう利用推進委員会」、またその分科会として設置した「曝露部分科会」によって審議・評価をいただき選定されたものです。
今回選定された候補ミッションについては、提案機関とJAXAが共同して検討作業を行い、その後、開発フェーズへ移行するミッションを選定することとなります。
選定された候補ミッションは下記のとおりです。
1.ポート占有利用
(1)
ミッション名 |
Extreme Universe Space Observatory onboard JEM/EF(JEM-EUSO) |
提案機関 |
理化学研究所 |
代表研究者 |
戎崎 俊一 |
ミッション概要 |
極限エネルギー宇宙線によるシャワー粒子が大気中で発生する蛍光を観測して、入射粒子のエネルギーと到来方向を決定し、その発生源を明らかにする。 |
(2)
ミッション名 |
高エネルギー電子・ガンマ線観測装置(CALET: CALorimetric Electron Telescope) |
提案機関 |
早稲田大学 |
代表研究者 |
鳥居 祥二 |
ミッション概要 |
高エネルギー宇宙線中の電子、ガンマ線の観測から、宇宙電子の起源、暗黒物質の探索を行うと共に,陽子、原子核成分の観測から宇宙線の加速、伝播機構を総合的に明らかにする。加えて、ガンマ線バーストや太陽活動による宇宙線強度の変動をモニターする。 |
(3)
ミッション名 |
ADR極低温システムの開発とそれを用いた量子液体の微小重力実験 |
提案機関 |
物質・材料研究機構 |
代表研究者 |
沼澤 健則 |
ミッション概要 |
従来の冷凍機と比べ長期信頼性と小型化が図れる連続型ADR(断熱消磁冷凍機)の技術実証、及びそれを用いた液体ヘリウム、固体ヘリウムの製造と物性物理学の実験を実施する。 |
2.ポート共有利用
(1)
ミッション名 |
宇宙インフレータブル構造の宇宙実証 |
提案機関 |
東京大学大学院 |
代表研究者 |
青木 隆平 |
ミッション概要 |
インフレータブル(気密な袋を気体で膨らませる)構造の展開及び長期運用特性を、軌道上の実環境で実証する。 |
(2)
ミッション名 |
大面積宇宙ダスト・デブリ計測 |
提案機関 |
自然科学研究機構 |
代表研究者 |
佐々木 晶 |
ミッション概要 |
衝突電離型計測器により、微粒子の速度、質量をリアルタイムで計測し、ダストの起源(太陽系、星間、人工物)を識別して、速度、質量分布、フラックス、時間変化を分析する。 |
(3)
ミッション名 |
地球超高層大気撮像観測 |
提案機関 |
京都大学大学院 |
代表研究者 |
齊藤 昭則 |
ミッション概要 |
地球超高層(80km以上)の大気光とプラズマ共鳴散乱光を可視、近赤外、極端紫外の領域で観測し、超高層大気におけるエネルギーと物質の輸送過程を解明する。 |
(4)
ミッション名 |
スプライト及び雷放電の高速測光撮像センサ |
提案機関 |
大阪大学大学院 |
代表研究者 |
牛尾 知雄 |
ミッション概要 |
高速測光撮像センサを用いて、雷放電及びスプライト現象を観測し、雷放電の時間空間分布、スプライトの構造と雷放電との関係、スプライト・落雷と地球ガンマ線の関係を解明する。(スプライト:落雷に伴い高度40~90kmの上空で発光する現象) |
(5)
ミッション名 |
宇宙環境計測ミッション装置(SEDA)-Ⅱ |
提案機関 |
宇宙航空研究開発機構 |
代表研究者 |
五家 建夫 |
ミッション概要 |
軌道上の宇宙環境(放射線環境等)を計測し、搭載機器の軌道上誤作動、不具合原因究明に資するデータを取得し、将来の機器設計へ反映する。 |
(6)
ミッション名 |
「きぼう」曝露部を使用した再生型燃料電池の実証 |
提案機関 |
宇宙航空研究開発機構 |
代表研究者 |
曽根 理嗣 |
ミッション概要 |
燃料電池と水電解装置を組み合わせ再生可能な燃料電池を微小重力環境下で実証する。 |
(7)
ミッション名 |
たんぽぽ(地球と宇宙空間の微生物と有機物の双方向伝播) |
提案機関 |
東京薬科大学 |
代表研究者 |
山岸 明彦 |
ミッション概要 |
世界最高性能のエアロゲルを使用した軌道上の微生物や有機物の捕集、曝露実験により、微生物の宇宙空間への脱出生存、有機物の地球への搬入の可能性を評価する。 |
(8)
ミッション名 |
EVA支援ロボットの実証実験 |
提案機関 |
宇宙航空研究開発機構 |
代表研究者 |
小田 光茂 |
ミッション概要 |
テザー式腕と伸展式腕による移動が可能なロボットを用いて、移動、外観検査等EVA支援に必要な機能を実証する。 |
なお、選定された候補ミッションに関するJAXAからの情報開示につきましては、上記ミッションが最終選定ではないことに鑑み、提案者の知的所有権等の保護のため慎重に扱わせていただいております。
宇宙航空研究開発機構 宇宙環境利用センター内
「きぼう」船外実験プラットフォーム 募集担当
TEL: 029-868-3714
E-mail: bakuroriyou@jaxa.jp