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「きぼう」での実験

「きぼう」での初めての生命科学実験を開始しました

最終更新日:2009年2月24日

「きぼう」での初めての生命科学実験として、「哺乳動物培養細胞における宇宙環境曝露後のp53調節遺伝子群の遺伝子発現 (RadGene)」(代表研究者:奈良県立医大 大西武雄教授)と「ヒト培養細胞におけるTK変異体のLOHパターン変化の検出 (LOH)」(代表研究者:理化学研究所 谷田貝文夫特別嘱託)が開始されました。

日本時間2009年2月20日(金)午後9時51分、「きぼう」船内実験室の細胞実験ラックに搭載されている細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)を使い、宇宙飛行士の作業と筑波宇宙センターからの遠隔操作により、RadGene/LOH実験を開始しました。

実験では、STS-126(ULF2)ミッションで打ち上げられた凍結状態のヒトのリンパ球細胞を宇宙で解凍し、微小重力区と約1Gの重力区で37℃で1週間程度培養します。その後再び凍結し、地上に持ち帰り、解析を開始します。

各テーマの概要およびWebページについては以下の通りです。

RadGeneの概要

宇宙環境において、がん抑制遺伝子"p53"とそれに関連する遺伝子群が、細胞の突然変異誘発をどのように抑えるのかを明らかにしていく実験です。

人間が宇宙で過ごすために、宇宙放射線から身を守り健康を維持する方法の開発につながります。そして、がん抑制遺伝子"p53"の仕組みを知ることによって、がん化の抑制やがん予防にかかわる基礎研究への貢献を目指しています。

実験のWebページ...「哺乳動物培養細胞における宇宙環境曝露後のp53調節遺伝子群の遺伝子発現」

LOHの概要

宇宙放射線による遺伝子の損傷を高感度に検出し、さまざまな損傷の種類を解析する実験です。遺伝子が損傷したときに働く修復機構の解明につながり、遺伝子損傷によって起こるがんの治療に関わる基礎研究への貢献を目指しています。

実験のWebページ...「ヒト培養細胞におけるTK変異体のLOHパターン変化の検出」

実験の準備をするサンドラ・マグナス宇宙飛行士(提供:NASA)

実験開始にあたって:

大西武雄教授

ここ2週間、培養スタートが今か今かと待ちこがれていました。やっと、今スタートできました。ところどころスリルもありましたが、サンディーの正確な仕事ぶりに心より感謝しております。胸がジンとしております。久しぶりのことです。

あとは、無事地上に帰ってくることをぜひとも期待しております。すべての機械が正確に動くことを祈っております。どうもありがとう。皆さん。

谷田貝文夫特別嘱託

皆さんにありがとうという気持ちと自分自身でうれしいという気持ちでいっぱいです。サンディーが言ってくれたGood Resultsを期待しているという言葉が身にしみています。これからがスタートという気持ちでがんばります。

 
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