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「きぼう」での実験

神経細胞を使って宇宙放射線の影響を調べる宇宙実験"Neuro Rad"が終了しました

最終更新日:2010年5月 7日

※日付は日本時間

「宇宙放射線と微小重力の哺乳類細胞への影響(通称Neuro Rad)」(代表研究者:馬嶋秀行 鹿児島大学大学院教授) の宇宙実験が終了しました。この実験は、「きぼう」船内実験室に設置された細胞培養装置(CBEF)を使って行いました。


実験に使用されるサンプルは、4月5日(月)にスペースシャトル「ディスカバリー号」(STS-131ミッション)で国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げられ、4月8日(木)20時45分から実験が開始されました。

宇宙では細胞を微小重力区と1Gの重力区で37℃で培養し、実験開始15日目(4月22日)と29日目(5月6日)にそれぞれ、細胞を化学的に処理し、冷凍庫に保管しました。実験は5月6日(木)19時28分に終了しました。

Neuro Rad実験は、ヒトの神経細胞を使って2つのポイントから宇宙放射線の影響を調べる実験です。

ひとつめは、宇宙放射線が影響を及ぼした遺伝子を網羅的に調べます。2つめは、細胞の中にあるミトコンドリアを介したアポトーシス(プログラム化された細胞死)に関わっている遺伝子を突き止めます。

地上に回収した後は、遺伝子の発現状態を調べ、遺伝子の働きを網羅的に解析します。特に、細胞内でエネルギーを作りだしているミトコンドリアの働きに関わった遺伝子、タンパク質についても調べます。

宇宙放射線の影響は遺伝子に直接的に影響を及ぼすだけではなく、細胞内に活性酸素を発生させます。この活性酸素は、細胞の機能低下や老化を引き起こすと考えられています。今回実験した細胞を使って、活性酸素に攻撃された物質、活性酸素を退治する酵素についても調べ、宇宙放射線による間接的な影響も解析します。

この実験を通して、ミトコンドリア関連、アポトーシス関連の遺伝子やタンパク質の働きを解析し、宇宙放射線に長期間さらされた神経細胞が受ける影響について、具体的な情報を得ることが期待されます。

得られたサンプルは、5月中旬に打上げが予定されているスペースシャトル「アトランティス号」(STS-132ミッション)で回収される予定です。

Neuro Rad実験の詳細はこちらをご覧ください。

 Neuro Rad実験紹介ページ:「宇宙放射線と微小重力の哺乳類細胞への影響」


【代表研究者 馬嶋秀行 鹿児島大学大学院教授のコメント】

28日間にわたり、1G、37℃温度がほぼ完全に制御され「きぼう」における実験を今日終了することができました。これは世界でも初のことで、JAXA、宇宙フォーラム、JAMSSの総力をあげて頑張っていただけた結果で本当に誇りに思います。1日24時間見守っていただき感謝しております。

これから宇宙放射線及び分子生物的因子に対する影響をしっかり調べ、この実験に値する結果を出したいと思っております。 本当にありがとうございました。


実験の様子を見守る馬嶋秀行 鹿児島大学大学院教授と犬童寛子講師

筑波宇宙センターの実験管制室で実験の様子を見守る
馬嶋秀行 鹿児島大学大学院教授(写真左)と犬童寛子講師(写真右)

 
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