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「タンパク質ユビキチンリガーゼCblを介した筋萎縮の新規メカニズム(通称Myo Lab)」(代表研究者:二川健 徳島大学大学院教授)の宇宙実験が、無事終了しました。この実験は、「きぼう」船内実験室に設置された細胞培養装置(CBEF)を使って行いました。
実験に使用するサンプルは、4月5日(月)に、山崎宇宙飛行士が搭乗したスペースシャトル「ディスカバリー号」(STS-131ミッション)で打ち上げられました。国際宇宙ステーション(ISS)に到着後、4月10日(土)19時14分に筑波宇宙センターからのコマンドにより実験を開始しました。
Myo Lab実験の目的は、筋肉の衰え(筋萎縮)に関与するCbl-b(シーブルビー)という酵素に注目し、この酵素がどのような動き(メカニズム)をして筋肉が萎縮するかを明らかにすることです。
「きぼう」船内実験室では、ラットの筋細胞を微小重力区と1Gの重力区で37℃で培養し、実験開始8日目の4月18日に筋肉を成長させる物質(成長因子)を加え、10日目となる4月20日に保存液を入れ、冷凍しました。宇宙ではCbl-bが、筋肉を増やす物質(成長因子)を阻害することで、筋肉を衰えさせていることを明らかにします。
冷凍されたサンプルは、地上に回収後、遺伝子とタンパク質の両方を調べ、Cbl-bが筋肉を減らすために作用しているタンパク質を決定します。Cbl-bがどのように筋肉の萎縮に関わっているかをこの実験で解明することで、宇宙飛行士はもちろんのこと、老化や病気などで寝たままの状態でいることによる筋萎縮など、地上の医療への応用が期待されます。
サンプルはこの次のスペースシャトル「アトランティス号」(STS-132ミッション)で回収される予定です。
Myo Lab 実験の詳細はこちらをご覧ください。
Myo Lab実験紹介ページ:「蛋白質ユビキチンリガーゼCblを介した筋萎縮の新規メカニズム」
【代表研究者 二川健 徳島大学大学院教授のコメント】
宇宙実験の作業が無事終了し、本当にありがとうございました。宇宙飛行士の方々、地上運用の方々、実験チームなど、多くの皆様のお陰です。この実験が人類に有益となる様に、私たちは、この貴重なサンプルを大切に解析する所存です。Myo Labの成果にご期待下さい。
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