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※日付は日本時間
「きぼう」日本実験棟の流体物理実験装置(Fluid Physics Experiment Facility: FPEF)を使用して実施されていた、マランゴニ対流実験の2テーマ目※の第1シリーズが終了しました。
※マランゴニ対流における時空間構造(Marangoni UVP/MaranGogniat)
(代表研究者:依田眞一(JAXA科学研究所))
マランゴニ対流実験の2テーマ目の第1シリーズは、本年1月29日(金)に開始され、以来約6ヶ月にわたり実験が続けられてきましたが、7月15日夜から16日にかけて行われた実験をもって、第1シリーズの実験を終了いたしました。
マランゴニ対流実験では、シリコーンオイルという液体で大きな柱(液柱)を作り、液柱の表面の流速や温度の分布、内部の流れの変化を調べます。
今回行われた2テーマ目では、液柱における対流を観察する方法として超音波によるドップラー効果を利用したUVP(Ultrasonic Velocity Profiler、超音波流速分布測定法)という方法を用いて、液柱内部の速度分布の計測や赤外線サーモグラフィによる表面温度変動の測定を行います。
なお、マランゴニ対流実験の2テーマ目は、ふたつのシリーズを行います。第2シリーズの実施日程は調整中です。
同じくマランゴニ対流実験として実施されている1テーマ目の「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」(代表研究者:西野耕一 横浜国立大学教授)と、今後実施が予定されている3テーマ目の「高プラントル数流体のマランゴニ振動流遷移における液柱界面の動的変形効果の実験的評価(Dynamic Surf)」(代表研究者:鴨谷康博 ケースウェスタンリザーブ大学教授)とともに、液柱内マランゴニ対流現象の解明において、多くの新しい科学的知見と成果を得ることが期待されます。
マランゴニ実験紹介ページ:/kiboexp/theme/first/marangoni/
【代表研究者 依田教授のコメント】
思えば長い20年間であった。1988年から5年間、日独専門家会合が開催されたが、当時ドイツはD-1ミッションを実施し、世界最先端にあった。日本は、何らの微小重力実験も行っておらず、表には出さないが見下されていた感は否めない。それから20年を経て、今や日本が微小重力科学をリードしていると言っても過言ではない分野の一つが流体マランゴニ現象である。JAXAは、世界のこの分野の研究者と共に、未だ未知なマランゴニ現象を体系的にすべて解明することを目的に研究を進めてきた。今回の実験もこの一環である。実験装置からのオイル漏れの不具合を地上とクルーとの連携作業により完全に修理し、予定通りの実験回数を実施できた。実験に復帰したことで興味深い実験データが得られたので、今後詳細に解析し振動流遷移現象を明らかしていきたい。なお、よいクルーが本実験の作業を担当してくれたことを感謝している。
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