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「きぼう」での実験

「きぼう」日本実験棟において、宇宙での骨量減少メカニズムを解明するための実験が開始されました。

最終更新日:2010年5月17日

※日付は日本時間

「きぼう」日本実験棟において、「宇宙空間における骨代謝制御:キンギョの培養ウロコを骨のモデルとした解析(通称Fish Scales)」(代表研究者:鈴木信雄 金沢大学環日本海域環境研究センター准教授)の宇宙実験が開始されました。

この宇宙実験は、野口宇宙飛行士がサンプルを準備、実験装置に取り付けたのち、地上からのコマンドによって、実験を開始しております。
この実験は、「きぼう」日本実験棟の細胞培養装置(CBEF)を使用して実施します。


実験に使用されるサンプルは、5月15日(土)にスペースシャトル「アトランティス号」(STS-132ミッション)で打ち上げられました。
国際宇宙ステーション(ISS)に到着後、野口宇宙飛行士がサンプルの準備を行いCBEFに取り付けました。その作業が完了した後、5月17日(月)3時54分から筑波宇宙センターからのコマンドにより実験が開始されました。

骨は、骨を新しく作成する働きをする「骨芽細胞」と、古くなった骨を壊す働きをする「破骨細胞」がバランス良く働くことにより、その構造が保たれています。しかし、宇宙に滞在すると、骨量が減少し骨がもろくなることが、これまでの宇宙飛行士の滞在の結果からわかっています。
骨量が減少する現象は、骨芽細胞の働きが低下して破骨細胞の働きが活発になることからおこるものと考えられていますが、なぜ宇宙でこのような現象が起こるのか、そしてまた宇宙ではそれぞれの細胞の働きがどのように変化するのかは、まだ解明されていません。

Fish Scales実験では、骨のモデルとして、骨芽細胞と破骨細胞が共存するキンギョのウロコを実験材料として使用します。さらに、細胞活性が普通のウロコよりも高い再生ウロコを用い、骨量減少の仕組みを探ります。スペースシャトルで再生ウロコを打ち上げ、宇宙実験棟の中にある細胞培養装置(CBEF)で約4日間培養した後、化学処理をし、冷凍もしくは冷蔵状態で打ち上げと同じスペースシャトルで地上に回収します。同時に、ISSの中で人工的に作り出した重力環境、および地上でもISS内と同じ作業を行い、後ほどISSでの実験結果と比較します。また、骨量の減少を防ぐための薬の効果も解析する予定です。
実験終了後、地上に持ち帰ったサンプルを用いて、細胞活性の測定、遺伝子発現解析、骨代謝に関与するホルモンの解析や形態学的解析等を行い、破骨細胞と骨芽細胞の相互作用と、添加した薬の骨吸収抑制効果を解析します。

実験は5月20日(木)まで実施する予定です。

Fish Scales実験の詳細はこちらをご覧ください。

 Fish Scales実験紹介ページ:「宇宙空間における骨代謝制御:キンギョの培養ウロコを骨のモデルとした解析」


【代表研究者 鈴木信雄 金沢大学環日本海域環境研究センター准教授のコメント】

スペースシャトルの打上げと、スペースシャトルとISSのドッキング、大変感動いたしました。
ウロコのデビュー戦です。無事に実験が終了することを願っております。


筑波宇宙センターの実験管制室で実験開始の様子を見守る鈴木信雄 金沢大学環日本海域環境研究センター准教授

筑波宇宙センターの実験管制室で実験開始の様子を見守る
代表研究者の鈴木信雄 金沢大学環日本海域環境研究センター准教授

 
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