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「きぼう」での実験

「きぼう」日本実験棟で行われていた結晶成長実験(Facet)が終了しました

最終更新日:2009年7月 2日

※日付は日本時間

「きぼう」日本実験棟において、4月9日から実施してきた先端材料の結晶成長実験「ファセット的セル状結晶成長機構の研究(FACET)」(代表研究者:稲富裕光 JAXA宇宙科学研究本部准教授)が6月12日に終了しました。


FACET実験は、半導体や酸化物など最先端材料に使われるファセット結晶(平らな面を持つ結晶)の界面の成長過程や形態を詳細に観察することにより、結晶成長メカニズムを解明することを目的としています。

実験では、半導体や酸化物の代わりにモデル物質(ザロール/t-ブタノールの混合物質)を用いました。試料が凝固、結晶成長していく過程での、結晶の形態の変化および結晶周辺の温度・濃度の変化を、干渉計と顕微鏡を用いてリアルタイムで観察・計測し、計画されたすべての実験データを取得しました。今後は、データの解析を進め、ファセット結晶成長のモデル構築につなげます。

【代表研究者 稲富裕光准教授(JAXA宇宙科学研究本部)のコメント】

4月9日から「きぼう」で実施されてきたFACET実験が終了しました。1日に一回程度のペースで、予定通り微小重力環境にて計40回の結晶成長実験を行うことが出来ました。

実運用中は驚きの連続でした。コマンド送信後にすぐさま観察視野が移動し、予定された時刻に結晶化が始まる様子をリアルタイムで目の当たりにする度に、まるで隣の部屋に実験装置があるような錯覚にとらわれました。

一方でISSや中継衛星の位置の関係でデータ受信やコマンド送信が出来なくなり、また「きぼう」内での宇宙飛行士の睡眠時間の話が持ち上がると、確かに宇宙で実験が行われているのだという実感も沸きました。

実験上でも、微小重力環境下ならではの結晶の形状や干渉縞像の変化など様々な貴重なデータを取りこぼすことなく得られたことは感無量であり、ISSに滞在中の宇宙飛行士の方々、運用チーム、そして実験計画や装置の設計・製作に関わってこられた多くの方々のご協力があったからこその賜物と確信しております。

現在は得られた膨大な画像データの処理を進めており嬉しい悲鳴を上げていますが、これらの実験結果をもとに新しい研究成果を生み出すことが研究代表者の責務であり、更に身が引き締まる思いです。

実験終了にあたり関係各位に心からのお礼を申し上げます。


「ファセット的セル状結晶成長機構の研究(FACET)」
 
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