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若田宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在開始後初となる「きぼう」日本実験棟での生命科学実験である、「両生類培養細胞における細胞分化と形態形成の調節(DomeGene)」(代表研究者:浅島誠 東京大学理事(副学長))の軌道上実験が終了しました。
3月28日(土)から29日(日)にかけて、若田宇宙飛行士とマイケル・フィンク宇宙飛行士が、培養した細胞を細胞培養装置(CBEF)から取り出し、クリーンベンチ(CB)にある顕微鏡に設置しました。
その後、地上からのコマンド操作で顕微鏡による細胞の観察を行い、画像を取得しました。細胞の培養状態は良好で、人工的に作り出した重力環境で培養された腎臓の細胞は、地上と同じように数多くのドームを形成していました。一方、宇宙の微小重力環境で培養された細胞は、予測していた通りほとんどドームを形成していませんでした。
観察後、薬剤処理による固定、凍結保存を行い、3月29日(日)午前8時19分に軌道上実験は終了しました。
実験サンプルは、スペースシャトル(STS-127(2J/A)ミッション)で地上に持ち帰り、地上での遺伝子の網羅的解析などを実施する予定です。
DomeGene実験では、分子生物学の分野でポピュラーなアフリカツメガエルの細胞を使って、からだを形つくる組織形成や遺伝子の働きについて、重力のある環境と微小重力環境で比較します。
このような組織の形成メカニズムの理解が進むことによって、臓器再生への研究がますます拡がることが期待されます。
長い間夢にまで見た宇宙実験が、「きぼう」という日本の実験棟で、若田宇宙飛行士の手で手際よく行われ、今のところほぼ満足する結果が得られ、ホッとしています。
これからは、遺伝子解析などの作業も残っていますが、これまでの間多くの方にご協力いただいて成功することができ、今は満ち足りた気持ちです。
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