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※日付は日本時間
「きぼう」日本実験棟において実施しておりました、「微小重力環境を利用した2次元ナノテンプレートの作製」(以下、「ナノテンプレート実験」)が終了しました。
ナノテンプレート実験は、宇宙でナノレベルの物質(ペプチド-PEG※1)を板状のプレート(基板)の上に規則的に配列させて、凹凸(マスクパターン)を作る実験です。
この基板を地上に持ち帰り、化学処理して凹凸を固定化し、2次元ナノテンプレートを作製します。この2次元ナノテンプレートの表面の凹凸は、スタンプの要領で電子材料基板に転写され、半導体素子などが作られます。小型化・高機能化が進む半導体産業などに応用することを目指した実験です。
実験に使用されたサンプルは、4月5日(月)に、スペースシャトル・ディスカバリー号(STS-131ミッション)で国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げられました。ISSに到着後、実験開始まで「きぼう」日本実験棟の冷凍・冷蔵庫(MELFI)で保管され、7月9日(金)に実験を開始しました。
実験試料はUSラボの冷凍・冷蔵庫(MELFI2)で約3ヶ月成長を続け、10月16日午前0時13分に実験は終了しました。今後、スペースシャトル・ディスカバリー号(STS-133ミッション)により地上に回収され、得られた試料についての詳細な解析が行われます。
宇宙で作製したナノテンプレートは、地上に比べて良質であるため、そこから生み出される半導体も良質=高性能なものが得られると考えられています。これにより、コンピュータの高性能化、日本がトップシェアを誇る青色発光ダイオードへの利用、半導体を使った製品の製造コストの削減などへの貢献が期待できます。
ナノテンプレート実験の詳細はこちらをご覧ください。【研究チームのメンバー 田中正剛 名古屋工業大学助教のコメント】
マスクパターン形成に必要な期間を安定に温度制御できたことで第一ステップをクリアできました。しかし、この実験はサンプル帰還が非常に大事なステップなので、緊張は続きます。確実に回収されることを願いつつ、11月の帰還を待ちたいと思います。
この実験の作業担当のクルーや支援いただいた方々に感謝申し上げます。
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