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平成28年5月13日まとめ きぼう利用センター、ヒューストン駐事、インクリメントマネージャー
4月28日にソユーズ宇宙船(45S)の帰還変更が確定!! 5月11日帰還予定のSpX-8号機に変更できるか?
⇒20℃の保冷剤が軌道上になかった。どのような環境でタンパク質容器を持ち帰るかの検討には非常に苦労を要した。軌道上にある保冷剤の情報収集から始め、試料の上限及び下限の温度要求がある中、冷え過ぎを防ぐためにタオルを突っ込んだり、保冷剤を緩衝剤で包んでみたり、最適なコンフィギュレーションをNASAとの調整結果も反映しつつ、温度試験を実施しながら、やっとの想いで想定される温度条件をクリアした。
ドラゴン補給船(SpX)内の環境温度は18.3℃~29.4℃という仕様のみが示されており、輸出規制の関係でSpX内の温度データ(実績)の提示が拒まれる中、ヒューストン駐在員事務所が集めた情報や、過去JAXAが以前別ミッションで組み込んだ温度ロガーのデータ等を使って、厳しすぎず、より現実的と思われる温度環境を導き出すのは大変苦労した。
冷蔵輸送という特殊なアイテムを限られた回収スペースの中、JAXAヒューストン駐在員事務所がミッションの重要性と保冷剤の最低必要個数などを粘り強く調整するとともに、日本側の試験状況などもタイムリーにフィードバックすることで、NASAは海上輸送用の恒温槽を新規に購入することを決定した。
また、搭載スペースが限られる中でIce Bricks(保冷剤)2個を回収バックに同梱することにつながった。
タンパクチームによる帰還に向けた迅速な課題整理を受けて、直ちにJAXAインクリメントマネジャーはNASAのマネジメント(ISSプロマネ代理とISSミッション統合運用部長)に対し、SpX-8によるタンパク試料回収実現に向けての協力を要請した。NASA側からは「解決策を探すためにベストを尽くす。」との回答を得ることができた。NASA側もISSでよりよいサイエンス成果を出したいという考えは同じであり、インクリメント担当者も協力的だった。具体的にはカーゴチームによる恒温槽の新規購入や早急な回収レイアウトの搭載検討を実施し、輸送については輸出に係わる書類をNASA側で早急に対応、コールドストウェージチームによる受入対応体制の確保などサイエンスを救うために米国の強い協力は不可欠だった。
日本側では、GW中で輸送業者が捕まらない中、ロシア輸送を担当する契約相手先(日揮)の尽力により、山九USAを介して、NASA側と調整してもらうことに成功した。温度維持と並んで最大の懸案となっていた輸送に一定の目途を得ることができた。
また、運用計画を立案・国際調整するマニフェストチーム、運用管制チームの皆様も迅速に対応してくれ、どこかひとつのピースがかけただけでも今回の変更はなしえなかった。
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