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「きぼう」日本実験棟の水棲生物実験装置(AQH)を使用して実施する、生命科学実験テーマ『メダカにおける微小重力が破骨細胞に与える影響と重力感知機構の解析』(MEDAKA実験)(代表研究者:工藤明 東京工業大学大学院理工学研究科教授)を開始しました。
星出宇宙飛行士により、平成24年10月26日(金)6時03分にMEDAKA実験が開始されました。
宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで長期間生活すると、骨の量が著しく減少することが知られています。これは、新しく作られる骨の量と、役割を終え血液中に吸収されていく骨の量のバランスが、微小重力環境ではくずれ、生成される量の方が少なくなるためと考えられています。微小重力環境では、この、骨の量を減らす働きをする細胞(破骨細胞)が活性化するために、このような現象が起こるものと考えられていますが、まだ基本的かつ重要なことはわかっていません。
MEDAKA実験では、2種類の実験を行います。
1つ目は長期飼育実験で、メダカ幼魚を水棲生物実験装置(AQH)で約2ヶ月間飼育します。宇宙での飼育開始後、一定の期間毎にメダカの化学固定※を行います。また、飼育開始時と終了時に、遺伝子の保存処理を行います。得られたサンプルは、地上に回収し、歯と骨の周囲にある組織と細胞について組織解析と遺伝子発現解析を行います。
2つ目は短期蛍光観察実験で、破骨細胞あるいは骨芽細胞で特異的に蛍光を発するトランスジェニックメダカの胚や稚魚を軌道上に打ち上げ、蛍光顕微鏡で、宇宙でのこれらの細胞の動きを観察します。
今回は1つ目の実験を開始します。2つ目の実験は来年度の実施を予定しています。
宇宙においてメダカを用いて破骨細胞の状態を解析することで、これまでに見えていない骨吸収の新しい機構が明らかになる可能性があります。この成果は、皮質骨の骨量低下が見られる老人性骨粗鬆症の新たな治療法開発へのきっかけとなることが期待されます。
MEDAKA実験の詳細はこちらをご覧ください。Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency | SNS運用方針 | サイトポリシー・利用規約 |