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「きぼう」での実験

「きぼう」日本実験棟において、植物の成長に関わる植物ホルモンを運ぶタンパク質の働きを調べるCsPINs実験の第3シリーズを開始しました

最終更新日:2012年4月 5日

※日付は日本時間

「きぼう」日本実験棟の細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)を使用して実施する、「植物の重力依存的成長制御を担うオーキシン排出キャリア動態の解析(CsPINs)」(代表研究者:高橋秀幸 東北大学大学院教授)の第3シリーズの実験を開始しました。


CsPINs実験は、4回のシリーズで合計8回の実験が計画されています。第1シリーズは、2011年4月26日(火)~29日(金)の4日間にわたり行われ、2回の実験が実施されました。第2シリーズは、2011年6月26日(日)~7月15日(金)の間に行われ、3回の実験が実施されました。それぞれ、実験結果の解析を実施しています。今回はその第3シリーズとなります。実験を4月5日(木)~6日(金) に予定しており、4月5日午前0時57分に開始されました。残りの2回の実験は第4シリーズとして実験が予定されていますが、実施時期は調整中です。

「CsPINs」とは、「オーキシン」と呼ばれる、主に植物の成長を調節する植物ホルモンの動きや分布を制御すると考えられるタンパク質群のことです。これらの中で、重力形態形成に関わると考えられているタンパク質「CsPIN1」と、水分屈性に関わると考えられているタンパク質「CsPIN5」に着目し、その働きを明らかにするための実験を行います。具体的には、「きぼう」に搭載されているCBEFを用いて、重力(有無)や水分などが異なる条件においてきゅうりを発芽させる実験を行い、各発育段階においてきゅうりの根の中に存在するCsPIN1やCsPIN5の状態を分析します。

※発生や細胞の分化によって新しい組織や器官が形成され、生物体を構築することを形態形成と呼びますが、植物の根が下に向かうように重力の影響によるものを重力形態形成と呼びます。

これらのタンパク質の働きがわかり、植物の形態形成や根が伸びる方向をコントロールすることができれば、植物栽培技術の発展に貢献し、また、将来の宇宙における植物工場における植物栽培などでの利用が期待されます。

CsPINs実験の詳細はこちらをご覧ください。

CsPINs実験紹介ページ: /kiboexp/theme/second/cspins/


【代表研究者 高橋秀幸 東北大学大学院教授のコメント】

CsPINsは、キュウリ芽生えの水分屈性の部とペグ形成の部から構成されており、全部で8つの実験に分割されて実施されています。

実験は昨年の東日本大震災の後の4月に開始され、今回は水分屈性で残されている最後の実験になります。

みなさんの努力・協力があってやっと実現できた実験ですので、実験が順調に進み、サンプルが予定通りに回収されることを祈っています。

 
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