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「きぼう」での実験

「きぼう」日本実験棟において、植物の成長に関わる植物ホルモンを運ぶタンパク質の働きを調べるCsPINs実験の第2シリーズが終了しました

最終更新日:2011年7月19日

「きぼう」日本実験棟の細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)を使用して実施する、「植物の重力依存的成長制御を担うオーキシン排出キャリア動態の解析(CsPINs)」(代表研究者:高橋秀幸 東北大学大学院教授)の第2シリーズの実験が終了しました。


CsPINsの第2シリーズは、3回の実験が計画されていました。1回目の実験を6月26日(日)に、2回目の実験を7月5日(火)~6日(水)に、そして3回目の実験を7月7日(木)~8日(金)にそれぞれ実施しました。しかし、2回目の実験において、実験の終了後の試料の保存がうまく行われなかったことが分かり(※1)、7月14日(木)~15日(金)に再度実験を行いました。第2シリーズは7月16日(土)午前0時40分に終了しました。得られたサンプルは、スペースシャトル「アトランティス号」(STS-135ミッション)で地上に回収される予定です。

※1 試料の保存作業は機械的に自動で行うこととしていましたが、一部の部品が所定の作動をしなかったため、うまく保存されなかったことが分かりました。予備品と交換を行い、再度実験を実施しました。

本実験は、3回のシリーズで合計8回の実験が計画されています。第1シリーズは、4月26日(火)~29日(金)の4日間にわたり行われ、2回の実験が実施されました(スペースシャトル「エンデバー号」(STS-134ミッション)にて回収済み)。現在、回収したサンプルの解析を進めています。第3シリーズの実施時期については、現在調整中です。

「CsPINs」とは、「オーキシン」と呼ばれる、主に植物の成長を調節する植物ホルモンの動きや分布を制御すると考えられるタンパク質群のことです。これらの中で、重力形態形成(※2)に関わると考えられている「CsPIN1」と、水分屈性に関わると考えられている「CsPIN5」に着目し、その働きを明らかにするための実験を行います。具体的には、「きぼう」に搭載されているCBEFを用いて、重力(有無)や水分などが異なる条件においてきゅうりを発芽させる実験を行い、各発育段階においてきゅうりの根の中に存在するCsPIN1やCsPIN5の状態を分析します。

※2 発生や細胞の分化によって新しい組織や器官が形成され、生物体を構築することを形態形成と呼びますが、植物の根が下に向かうように重力の影響によるものを重力形態形成と呼びます。

これらのタンパク質の働きがわかり、植物の形態形成や根が伸びる方向をコントロールすることができれば、植物栽培技術の発展に貢献し、また、将来の宇宙における植物工場における植物栽培などでの利用が期待されます。

CsPINs実験の詳細はこちらをご覧ください。


【代表研究者 高橋秀幸 東北大学大学院教授のコメント】

CsPINs実験の第2シリーズのすべてをISSに滞在する古川宇宙飛行士に、正確かつ献身的にやっていただき、感謝の気持ちで一杯です。お陰様で、キュウリの芽生えは順調に生育して軌道上実験を終えることができましたので、あとはSTS-135で無事に地上に回収されるのを楽しみにしています。

 
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