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「きぼう」での実験

「きぼう」日本実験棟において、植物の成長に係る植物ホルモンを誘導するタンパク質の働きを調べるCsPINs実験を開始しました

最終更新日:2011年4月27日

「きぼう」日本実験棟の細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)を使用して実施する、「植物の重力依存的成長制御を担うオーキシン排出キャリア動態の解析(CsPINs)」(代表研究者:高橋秀幸 東北大学大学院教授)を開始しました。


「CsPINs」とは、「オーキシン」と呼ばれる、主に植物の成長を促す作用を持つ植物ホルモンの動きや分布を制御すると考えられるタンパク質群のことです。これらの中で、重力形態形成に関わると考えられている「CsPIN1」と、水分屈性に関わると考えられている「CsPIN5」に着目し、その働きを明らかにするための実験を行います。

実験に使用されるサンプルは、スペースシャトル「ディスカバリー号」(STS-133ミッション)で国際宇宙ステーション(ISS)に運ばれました。宇宙飛行士により、乾燥したキュウリ種子を挿し込んだ支持体に給水が行われ、CBEFに取り付けられた4月26日(火)午前2時01分から実験を開始しました。

キュウリなどのウリ科植物では、発芽直後にペグと呼ばれる特殊な突起状組織が形成されます。CsPIN1はこのペグ形成に関わっていることが分かっています。CsPIN1についての実験では、キュウリ種子を発芽させて、ペグが形成されつつある段階と完成する段階でのサンプルを取得します。また、CsPIN5は、植物の根が水分屈性によって曲がる現象に関わりを持つことが示唆されています。CsPIN5についての実験では、サンプルの入った容器の中に水分勾配を作り、その中で一定時間生育させ、根が曲がりつつある段階と曲がりきった段階のサンプルを取得します。また、それぞれ実験中に、サンプルの画像の撮影も行います。

実験は、4月29日(土)までの間の、約4日間にわたり行われます。得られたサンプルは4月30日に打ち上げられる予定のスペースシャトル「エンデバー号」(STS-134ミッション)で地上に回収される予定です。これらのタンパク質の働きがわかり、植物の形態形成や根が伸びる方向をコントロールすることができるようになれば、植物栽培技術への貢献や将来の宇宙における植物工場などに利用することができます。

CsPINs実験の詳細はこちらをご覧ください。
CsPINs実験紹介ページ: /kiboexp/theme/second/cspins/

【代表研究者 高橋秀幸 東北大学大学院教授のコメント】

昨年10月に実施したHydro Tropi宇宙実験のサンプルが地上に回収されて、その翌日に東日本大震災が発生しました。そして、皆様が大変な状況にあるなかで、CsPINs宇宙実験が国際宇宙ステーションの「きぼう」で始まりました。私たちは、今の日本、被災地、そして関係者の心にひとつの光を灯すべく、これら宇宙実験、その解析を成功させたいという強い思いで、このCsPINs宇宙実験の軌道上運用に臨んでいます。

 
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