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「きぼう」での実験

宇宙環境の特徴

宇宙を飛行するISS

宇宙環境には、微小重力、高真空、良好な視野、宇宙放射線などの地上では容易に得ることのできない特徴があり、その宇宙環境を利用することにより、極めて広範な分野にわたる研究や実験、観測などを行うことが期待されます。

微小重力
高真空
良好な視界
宇宙放射線
豊富な太陽エネルギー
軌道上の熱環境

微小重力

国際宇宙ステーション(ISS)は、高度約400kmの軌道を飛行します。ISSの中での重力は10-6gから10-4g、すなわち地球上の重力の100万分の1から1万分の1という値です。

この条件では、物質に「重さ」が無くなってしまいます。その結果、物質に浮力が無くなり、流体中の物質は浮かんだり沈んだりすることがなく、さらに、流体を加熱しても対流は起こりません。また、流体中の物質には静水圧がかかりません。たとえば流体中にできた気泡は、静水圧がかからないので、いつも同じ大きさです。

これらの特徴は、結晶成長や臨界点物理学などの研究に有効です。さらに、流体を容器に入れないで保持することができます。これは、容器からの不純物の混入を防止できるだけでなく、地上では考えられない独特の実験を行うことができるのです。

微小重力の解説はこちらをご覧下さい。

画像:より大きな画像へ

微小重力環境の特徴と利用

高真空

ISSが飛行する付近での大気圧は10-5Paの真空の世界です。しかし、それに加えて特異なことは、その成分です。よく知られているように、地球の大気は78%の窒素、21%の酸素などです。ところが、ISSの環境では85%が原子状酸素(O)であり、これは非常に強い活性をもっています。この性質が高分子材料など有機化学物質を劣化させる原因となります。

良好な視界

ISSは、約90分で地球を1周し、1日に地球を約16周しています。その軌道からは、青い地球や無限に拡がった宇宙空間が視野に入ってきます。これによって、大気に妨害されることなく、天体観測や地球観測を行うことができます。ISSでは、地球環境の監視や大気観測、天体観測の実験ミッションなどが計画・実施されています。

宇宙放射線

一口に宇宙放射線と言っても単純ではありません。銀河系内を飛び交っている銀河宇宙線、太陽面での爆発にともなって発生する太陽粒子線と、その粒子線が地球磁場に捕捉されてできるヴァン・アレン帯の粒子線から成っています。これらの高エネルギー粒子が、大気や宇宙機の機体を組み立てている材料の原子核と衝突して、陽子、中性子、中間子、ガンマ線を生成します。これらを二次粒子線と呼びます。

宇宙船の内部は、これらの粒子線と二次粒子線が複合してでき上がった宇宙線の環境場になっています。地球では、それを取り囲む大気と磁場によって宇宙線の侵入を防ぐことができ、生物の生存に適した温和な環境が作り出されています。しかし、大気圏外を飛行する宇宙機は厳しい宇宙放射線に曝されることになるので、宇宙放射線の様子を正確にとらえ、さらに放射線が生物に与える影響を調べるための研究は、宇宙環境を利用するために大切なことです。

豊富な太陽エネルギー

ISSが飛行している軌道は太陽エネルギーの密度が非常に高く(~1.4 kW/m2)、これを利用することによって、ISSの運用に必要なエネルギーを確保できます。具体的には、太陽電池を使って約110kWの発電を行うことができます。

軌道上の熱環境

宇宙では、放熱の問題があります。ISSが飛行しているのは真空の空間で、いわば魔法瓶のなかに浮かんだ物質のようなのものです。したがって、ISSからの熱の放出は非常に困難です。これもまた宇宙環境利用の研究対象です。

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