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2010年5月4日から、JAXA/ESA(欧州宇宙機構)/ROSCOSMOS(ロシア連邦宇宙局)の共同運用によるマトリョーシカ実験が実施されました。
「ズヴェズダ」(ロシアモジュール)に保管されていたファントム(平均的な成人男性の体格を模擬した人体模型)を、ロシアの宇宙飛行士が「きぼう」船内に運びこみ、プログレス補給船(37P)(2010年4月29日打上げ)で打ち上げた受動型の被ばく線量計をファントム体内に組み込みました。その後、野口宇宙飛行士がロシアの宇宙飛行士からファントムを受取り、「きぼう」船内のF2ラックに設置しました。
本シリーズ実験は、線量計を埋め込んだファントムを「きぼう」船内に長期間設置して臓器被曝量を実測し、人体内の宇宙放射線被ばく影響を正確に評価することを目的としています。
ISSパートナー機関を含む9カ国18機関を含む国際協同実験で、ドイツ航空宇宙センター(DLR)のライツ博士(Dr.G.Ritze)が代表研究者です。JAXA有人宇宙技術センターも共同研究者として参加しており、25個のPADLES受動型放射線線量計(熱蛍光線量計TLDと固体飛跡飛検出CR-39を封入)がファントム体内に設置されました。現在、このCR-39/TLDの組み合わせは、各国の受動型放射線量計の手法として採用されていますが、もともとは日本で開発された計測手法です。ファントムは、約10か月ほど「きぼう」F2ラック設置され(宇宙放射線に曝露され)、組み込まれた線量計のみを地上に回収しました。
マトリョーシカ 1(ロシアのズヴェズダ船外/船内)、2A(ピアース)、2B(ズヴェズダ船内)実験は、2008年の「きぼう」日本実験棟の打上げ前の、ISSにおけるPADLES線量計の軌道上検証を目的として実施されました。また、マトリョーシカ 2B_KIBOは、JAXA/欧州宇宙機関(ESA)/ロシア連邦宇宙局(ROSCOSMOS)の共同運用による「きぼう」利用実験の一環として実施されました。
ロシアモジュールで実施した宇宙放射線計測実験では、船外の吸収線量が船内より約4倍高いということや、ISS船壁によってどんなエネルギーをもつ重粒子が遮蔽されるのかといった遮蔽・防護のための知見が得られました。
「きぼう」船内での宇宙放射線環境についても、詳細な解析を進めています。「きぼう」日本実験棟の構造や与圧壁の厚さの詳細情報や、「きぼう」船内実験室17ヶ所に設置されている放射線環境モニタリング実験(Area PADLES)の測定結果を組み合わせて、以下を行っています。
これらの研究開発には、国内の研究機関では、高エネルギー加速器研究機構、日本原子力研究機構、放射線医学総合研究所との研究協力が進んでいます。
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