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「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォームに搭載している宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment - Attached Payload: SEDA-AP)の初期機能確認が問題なく完了し、定常運用に移行しました。
SEDA-APは、STS-127(2J/A)ミッションで実験装置を打ち上げ、船外実験プラットフォームへの取付けを行った後、8月4日より地上からの遠隔操作により、バス機器(電気系/通信系)や各ミッション機器の機能確認を順番に行ってきました。
取得データを解析した結果、バス機器および各ミッション機器が正常に機能していることを確認し、9月17日から8つのミッション機器による宇宙環境計測を本格的に開始しました。
SEDA-APは、国際宇宙ステーション(ISS)が周回する高度約400kmにおいて、8つのミッションを約3年にわたって同時運用し、観測を行います。なお、微粒子捕獲と材料曝露ミッションは、試料回収のため、8ヵ月程度の運用予定です。
取得したデータは、宇宙機や搭載機器の設計、材料の開発のための基礎データに利用され、宇宙機の異常による宇宙災害の防止や宇宙飛行士の被ばくの低減などに役立ちます。
高エネルギー軽粒子モニタ(SDOM)が計測した電子(0.28-0.79MeV)を世界地図上にマップしたもの。南アメリカの領域(地磁気の関係で放射線が強い領域で南大西洋磁気異常帯(SouthAtlanticAnomaly: SAA)と呼ばれる)と上下の高緯度領域(放射線帯の外帯の領域)においてエネルギーの高い放射線が多く計測されている。
【代表研究者 五家建夫主幹研究員(JAXA研究開発本部)のコメント】
SEDA-APは、軌道上での初期チェックアウトの完了を9月17日に機構内審査会で確認し、定常的な観測体制に入りました。開発に携わった研究者の代表として大変喜んでいます。
しかし、これからが本番です。日本人宇宙飛行士の長期滞在する宇宙環境、すなわち中性子をはじめとする放射線環境、プラズマ環境ときぼうの静電電位、原子状酸素の環境、微小宇宙ゴミやダストの環境、それらの環境が宇宙用部品・材料に及ぼす影響を長期的に計測し続けます。
この順調な第一歩を踏み出せたのは、「きぼう」に携わるJAXA、NASA、SEDAの共同研究者さらに企業も含めた多くの方々のご支援、ご協力の賜です。関係各位に深く感謝致しますと共に、今後は各国から期待されている宇宙科学・宇宙技術の成果をだす責任を負って頑張って行く所存です。
詳細はプレスリリースをご覧ください。
SEDA-AP紹介ページ:宇宙環境計測ミッション装置(SEDA-AP)
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