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エクスプレス補給キャリア(Express Logistics Carrier: ELC)は、国際宇宙ステーション(ISS)の船外で使う機器類をスペースシャトルで輸送すると共に、ISSのトラス上で機器類を保管するためのキャリアとして使用されます。
STS-133ミッションでは、ELC-4が運ばれ、S3トラスの下側に設置されます。ELC-4には、ISSの外部能動熱制御システム(External Active Thermal Control System: EATCS)用のラジエータORU(※)が搭載された状態で打ち上げられます。
スペースシャトルの退役後は、ISSに大型ORUを運搬する手段は、年1回の間隔で打上げが計画されている宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)のみとなります(Space X社のDragon宇宙船も計画中)。このため、ISS外部のメンテナンスに必要な船外用交換機器の予備品を、ISS船外に事前に保管しておくことが重要になります。
ISSには既にSTS-129ミッションでELC-1とELC-2の2台が設置済みで、2011年2月に打上げが予定されているSTS-134ミッションでELC-3が運ばれます。
ラジエータORU
ラジエータORUは、ELCの片面全てを占有する大型のORUで、スペースシャトル以外では運搬できないサイズです。
現在、S1トラスのラジエータのパネル1枚が剥離しかけていますが、その箇所の悪化や、他のパネルにデブリ衝突があった場合に備えて、交換できるよう軌道上に予備品として保管しておきます(今回初めて運搬)。
2010年度冬期の打上げが予定されている宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)2号機の曝露パレットに搭載されて打ち上げられる以下の機器がELC-4に保管される予定です。
フレックス・ホース・ロータリ・カプラ(FHRC)
フレックス・ホース・ロータリ・カプラ(Flex Hose Rotary Coupler: FHRC)は、S1トラスおよびP1トラスに設置されている、放熱用ラジエータ回転機構(Thermal Radeator Rotary Joint: TRRJ)を構成するORUのひとつで、回転するラジエータパネルにアンモニア流体を供給する機構です。ISSには既に2台の予備品があり、これが3台目となります。
カーゴ輸送コンテナ(CTC)
カーゴ輸送コンテナ(Cargo Transport Container: CTC)は、小型のORUを収容してISS船外に保管するためのコンテナです。CTCに収容されたORUが必要になった場合は、 「デクスター」(特殊目的ロボットアーム)を使用して、または船外活動クルーの手作業でふたを開けて、取り出すことができるようになっています。
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