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国際宇宙ステーションの組立フライト ULF3(STS-129)

エクスプレス補給キャリア(ELC)

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ELCの基本構造(NASAゴダード宇宙飛行センター(GSFC))

エクスプレス補給キャリア(Express Logistics Carrier: ELC)は、12個の軌道上交換ユニット(Orbital Replacement Unit: ORU)を搭載して、スペースシャトルで国際宇宙ステーション(ISS)へと運ぶことができます。

2010年秋に、スペースシャトルの退役が予定されているため、それ以降は、ISSに大型ORUを運搬する手段は、年1回の間隔で打上げが計画されている宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)のみとなります。このため、ISS外部のメンテナンスに必要な船外用交換機器の予備品を、ISS船外に事前に保管しておくことが重要になります。

スペースシャトル退役前に、今回のミッションを含む今後の補給ミッションで、ISSに多数の予備品を運搬し保管する計画です。この予備品運搬計画の、最初の大規模なフライトとなる本ミッションでは、最も優先度の高い予備品が運搬されます。

今回のミッションでは、2台のエクスプレス補給キャリア(ELC-1、ELC-2)が打ち上げられ、S3トラスとP3トラスに設置されます。また、ULF6(STS-134)ミッション(2010年7月予定)ではELC-3、ULF5(STS-133)ミッション(2010年9月予定)ではELC-4が打ち上げられる予定です。それぞれのELCの収容能力(設計値)は、最大重量4,445kgです。

ELCの搭載状況

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ELC-1の搭載状況(ISS設置時)(右: 右舷側面 左: 左舷側面)

ELC-1の搭載品

  • 窒素タンク(Nitrogen Tank Assembly: NTA) [1台]
  • コントロール・モーメント・ジャイロ(Control Moment Gyroscope: CMG) [1台]
  • ポンプモジュール(Pump Module: PM) [1台]
  • バッテリ充電/放電ユニット(Battery Charge Discharge Unit: BCDU) [1台]
  • プラズマ接触ユニット(Plasma Contactor Unit: PCU) [1台]
  • ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)のエンドエフェクタ (Latching End Effector: LEE) [1個]
  • アンモニアタンク(Ammonia Tank Assembly: ATA) [1台]


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ELC-2の搭載状況(ISS設置時)(右: 右舷側面 左: 左舷側面)

ELC-2の搭載品

  • 窒素タンク(Nitrogen Tank Assembly: NTA) [1台]
  • コントロール・モーメント・ジャイロ(Control Moment Gyroscope: CMG) [1台]
  • ポンプモジュール(Pump Module: PM) [1台]
  • 高圧ガスタンク(High Pressure Gas Tank: HPGT) [1台]
  • カーゴ輸送コンテナ(Cargo Transport Container: CTC-1) [1台]
  • モービル・トランスポータ(Mobile Transporter: MT)のトレイルケーブルシステムのリールアセンブリ(Trailer Umbilical System-Reel Assembly: TUS-RA) [1台]
  • 材料曝露実験装置7(Materials International Space Station Experiment 7: MISSE-7)の取付け部


船外用交換機器の予備品

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NTA(左)、CGM(中央)、PM(右)

窒素タンク(NTA)

NTAは、ISSの外部能動熱制御システム(External Active Thermal Control System: EATCS)の構成要素で、S1トラスとP1トラスに1台づつ設置されています。ATAを加圧して、ISS船外の冷却ループにアンモニアを流すための窒素ガス供給を行います。

コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)

CMGは、回転する円盤の力を利用して、ISSの姿勢を制御する姿勢制御装置で、Z1トラスに4基設置されています。CMGを使うことにより、推進剤を使用する小型ロケットエンジンスラスタをほとんど使うことなくISSの姿勢制御や姿勢変更を行うことができます。

ポンプモジュール(PM)

PMは、EATCSの構成要素で、S1トラスとP1トラスに1台づつ設置されています。アンモニア冷却ループを流れるアンモニアの循環制御や、温度制御、加圧制御を行います。


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BCDU(左)、PCU(中央)、LEE(右)

バッテリ充電/放電ユニット(BCDU)

BCDUは、太陽電池パドル(Solar Array Wing: SAW)で発電した電力を、ISSのバッテリ(ニッケル水素バッテリ(NiH2))に充電する制御を行います。また、ISSの日陰時やSAWの発電に不具合が生じた場合などには、バッテリに充電された電力を、ISSの一次電力供給システムへと放電する制御を行います。BCDUは、P6、S4、P4、S6トラスに6台づつ装備されています。

プラズマ接触ユニット(PCU)

PCUは、ISSの帯電制御を行う装置で、いわば、ISSのアース線のような役割をします。ISSの構造物、居住モジュール、ラジエータ等は、周辺宇宙プラズマにより帯電現象が起こります。PCUは、キセノンガス(xenon gas)からプラズマを発生させ、電子流を宇宙空間に排出することで、ISSの帯電圧を安全な範囲に制御します。現在、2台のPCUがZ1トラス上に設置されています。

ISSのロボットアーム(SSRMS)のエンドエフェクタ (LEE)

LEEは、SSRMSの把持手です。船外ペイロードやORUに取付けられたグラプルフィクスチャのグラプルシャフト(ポール状に突き出た部分)をLEE内部のワイヤで挟み込むことで、ペイロードを把持します。SSRMSのLEEは、SSRMSの両先端に装備されています。


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ATA(左)、TUS-RA(中央)、HPGT(右)

アンモニアタンク(ATA)

ATAは、EATCSの構成要素で、ISS外部機器の排熱を行うための冷却ループに流す冷媒(アンモニア)を収容しておくタンクです。ATAはS1トラスとP1トラスに1台づつ設置されています。

モービル・トランスポータ(MT)のトレイルケーブルシステムのリールアセンブリ(TUS-RA)

MTはISSトラス上を移動する台車の役割をしますが、MTは2台のトレイルケーブルシステム(Trailing Umbilical System: TUS)を経由してISSから電力供給を受けながら、トラスに設置されたレール上を車輪を使って移動します。TUS-RAは、MTの移動に伴ってケーブルをリールから延ばしたり、絡まないようにリールに巻き込んだりする機構です。

高圧ガスタンク(HPGT)

HPGTは、「クエスト」(エアロック)の外壁に設置されています。ふたつの酸素タンクと、ふたつの窒素タンクから構成されており、ISS内の空気制御・供給装置へガスを供給するほか、宇宙服の酸素タンクに酸素を充填することができます。


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CTC-1の搭載状況(左)、CTC-1の外観(中央)、CTC-1の内部(右)

カーゴ輸送コンテナ(CTC-1)

CTCは、小型のORUを収容してISS船外に保管するためのコンテナです。CTCは1.2m x 0.9m x 0.9mの大きさで、約181kgまでORUを収容することができます。CTCに収容されたORUが必要になった場合は、 「デクスター」(特殊目的ロボットアーム)を使用して、または船外活動クルーの手作業でふたを開けて、取り出すことができるようになっています。今回運ぶCTC-1は、ELC-2上(S3トラス上)で保管されます。遠隔電力制御モジュール(Remote Power Controller Module: RPCM)の予備品が10個収納されており、このCTC-1の到着により、デクスターを使用したRPCMの交換作業が実施できるようになります。



(写真、画像は全てNASA提供)

 
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