衛星間通信システム曝露系サブシステム(ICS-EF)熱真空試験
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計測制御室 |
8mφチャンバ内に設置したICS-EF |
衛星間通信システム曝露系サブシステム(ICS-EF)の熱真空試験が筑波宇宙センターの8mφチャンバで行われています。
衛星間通信システムとは(ICS)とは、「きぼう」日本実験棟のシステムのひとつでJAXAのデータ中継技術衛星(DRTS)を経由し、「きぼう」と筑波宇宙センターとの間でデータ、画像および音声などの双方向通信を行う通信システムです。
衛星間通信システム曝露系サブシステム(ICS-EF)は、DRTSを指向するアンテナ、各種センサおよび送受信装置などから構成されています。
宇宙では日なたの温度は約120度にまた日陰の温度は約マイナス150度にもなります。また、宇宙では対流による熱の移動がないので、陽が当たる部分はすぐに熱くなり、反対に日陰ではすぐ冷たくなります。
国際宇宙ステーション(ISS)は約90分で地球の周りを一周し、およそ30分間冷たくなったり、60分間熱くなったりを繰り返します。
このような厳しい温度環境下でも、各機器がきちんと動作するようにICS-EFは断熱材でカバーされています。また、ヒータの電源をオン・オフして各機器の温度が要求範囲内に収まるように制御されます。
熱真空試験とは
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8mφチャンバへの搬入作業 |
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8mφチャンバ内に設置したICS-EF |
8mφチャンバの蓋閉、チャンバ内にICS-EFが見える |
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今回の試験では、ICS-EFをオン・オフさせた状態で液体窒素パネルによる冷却や太陽光シミュレータによって宇宙空間での熱環境を模擬し、ICS-EF各部の温度が軌道上で規定範囲内に維持できることを確認するとともに、搭載機器が熱真空環境下で所定の性能を満たすことを確認します。
また、今回の試験により得られたデータは、設計段階で作成された熱数学モデルによるシミュレーション結果と比較・評価されます。
評価の結果必要に応じて熱数学モデルを修正し、より現実に近い熱数学モデルにします。
この試験は、3月末まで続けられます。
最終更新日:2004年3月19日
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