このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
 
JAXAトップページへ
 JAXAトップページへ宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターサイトマップ
 
「きぼう」日本実験棟のロボットアーム操作性評価試験

「きぼう」ロボットアーム操作性評価試験の様子
 3月20日から3月31日にかけて、筑波宇宙センターで国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟のロボットアームの操作性を確認する試験が行われましたのでご紹介します。

5名の宇宙飛行士によるロボットアームの
操作性チェック
 操作性評価試験は土井宇宙飛行士やNASAの宇宙飛行士の計5名による実際の操作を通じてマニピュレータシステムの「使い勝手」を評価する試験です。
 筑波宇宙センターで行われたこの試験では、宇宙で実際に使用される長さ約10mもの親アームを宇宙飛行士が自ら操作しました。そして、設計どおりにロボットアームが動くかどうか、安全に操作することができるかどうか、操作しやすいかどうかなどの点についてチェックをしました。

ロボットアームシステムとその操作方法
 きぼうのロボットアームシステムは、約10mの親アーム、約1.5mの子アーム、そしてコンソールと呼ばれる操作卓の3つのサブシステムで構成されています。

 きぼうの船内実験室に設置されたコンソールには、ロボットアームを操作するためのハンドコントローラ、テレビカメラなどの操作を行うスイッチパネルが備えつけられています。また、ロボットアームの動作を監視する2台のテレビモニタや、コンピュータディスプレイも備えられています。テレビモニタは、きぼうの船内実験室外壁や船外実験プラットフォーム、およびロボットアーム自身に取り付けられた8台のテレビカメラによるリアルタイム映像を映し出し、コンピュータディスプレイは、ロボットアームの動作などに係わるコマンドを設定したり、ロボットアームの状態を表すテレメトリデータ(位置や角度)を表示します。

 このコンソールのテレビモニタやディスプレイを見ながら、クルーがハンドコントローラを操作してアームの操作を行います。

3つの設備を使って評価試験が行われました
 試験は、親アームによるペイロード(実験装置などの荷物)の船外実験プラットフォームへの取付け・取外しや、子アームによる軌道上交換装置の着脱など、想定される運用シナリオに沿って行われました。しかし、実際の宇宙と同じ環境で試験をすることはできないので、試験はコンソールと親アームを接続した「フライトハードウェア」、「リアルタイムシミュレータ」、「子アーム模擬装置」の3つの設備を使って、それぞれの特徴を活かした評価ポイ ントを設定して実施されました。
 以下に3つの設備と評価ポイントを示します。

 
フライトハードウェア(コンソールと親アームを接続した実機)
 地上では重力の影響を受けるので、ロボットアーム動作は2次元動作に制限されます。そのため、フライトハードウ ェアを使っての試験は、コンソールの操作を中心とした、運用・操作性の全般にかかわる評価を行いました。

リアルタイムシミュレータ
 この設備は、ロボットアームのグラフィックシミュレーション装置です。フライトハードウェアでの試験は2次元動作に制限されるので、宇宙空間での3次元動作を模擬的に再現するために、この設備を用います。試験は、クルーの立場からアームの動特性・応答特性に関する評価を行いました。

子アーム模擬装置
 これは、子アームの3次元運動シミュレーション設備です。子アーム特有の機能である力覚制御の動特性 を模擬することができ、クルーの立場からこの力覚制御の応答特性評価を行いました。力覚制御とは、物とアームがぶつかったとき、その衝突を緩和する方向にアームが動くように制御することです。

土井宇宙飛行士も参加して操作性などの確認を行いました
 このような、クルーが軌道上で問題なく作業できることを確認する有人宇宙システム特有の試験を含め、段階的にいろいろな試験を重ねて、きぼうのマニピュレータは2006年7月、スペースシャトルで軌道上へと打ち上げられる予定です。









最終更新日:2002年10月31日

 
JAXAトップページへサイトポリシー