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「きぼう」日本実験棟の船内保管室のフライト・クルー・インタフェース・テスト(FCIT)

「きぼう」日本実験棟
「きぼう」日本実験棟
 2000年5月25日、野口聡一宇宙飛行士による「きぼう」日本実験棟の船内保管室のフライト・クルー・インタフェース・テスト(FCIT)を筑波宇宙センターで行いましたので、ご紹介します。


フライト・クルー・インタフェース・テスト(FCIT)とは
 FCITとは、宇宙飛行士が軌道上で機器の交換などの保守作業を問題なく出来るかどうかをあらかじめ、地上でラチェットレンチやトルクレンチなどの工具を使って確認したり、各機器に宇宙飛行士を傷つけるような鋭い角(シャープエッジ)がないことを宇宙飛行士によって、触って確認する試験です。宇宙飛行士の観点から、訓練や宇宙での経験を踏まえた実際に使用する立場で、ハードウェアが問題なく軌道上でも運用できることを確認することを目的としています。
 昨年7月より様々な機器(ハードウェア)に対しFCITをNASAと共同で実施してきました。

今回のFCITについて
 今回は野口宇宙飛行士により、船内保管室外側についてFCITを行いました。船内保管室外壁各部で工具が問題なく使用できるか、船外活動時に問題となるようなシャープエッジがないか検査しました。具体的には以下の作業を実施しました。

 
船内保管室
ツールフィットチェック
 宇宙飛行士が軌道上で操作したり、触れたりするハードウエアに対して、軌道上で使う工具を使用することで、その工具が問題なく使用できるかどうか、また、その使いやすさについての確認を行いました。今回は船内保管室の外側に取り付けてあるシールドパネルの脱着作業用の工具を用いて確認しました。

シャープエッジ検査
 宇宙飛行士が触れる船外、船内のハードウエアに、宇宙飛行士あるいは宇宙服を傷つけるような鋭い角を持った突起(シャープエッジ)などがないかを、実際に手で触ったり、スウォッチと呼ばれる特殊な布をハードウエアの表面にこすりつけて、傷が付かないか確認します。特に船外活動中に宇宙服が破れると危険なので、念入りに確認を行いました。

その他のFCIT活動
 FCIT活動は外側だけではなく、「きぼう」の内部の機器についても対象になるため、今回実施した、フィットチェック、シャープエッジ検査の他にも下記のような作業も実施する必要があります。なお、船内保管室内部のFCITは既に昨年11月に実施されています。

 
軌道上交換ユニット(ORU:Orbital Replacement Unit)フィットチェック
 ORUとは、軌道上で宇宙飛行士による交換が可能な機器で、きぼうに搭載される多くの機器がORUとして設計されています。そのORUの取外し・取付け状況を宇宙飛行士が地上で確認することで、手順通りに確実に交換作業が実施できることを確かめます。

コネクタフィットチェック
 宇宙飛行士が手でコネクタの脱着を行えるか、コネクタに手が届くか、コネクタの位置や種類を間違えることはないか、また、確実に視認できることを確認します。

ラベル確認
 装置にはそれぞれ、名称、注意などを示すラベルが貼られますが、これらのラベルを宇宙飛行士が容易に認識できるかどうか、また、誤解・誤操作などを招かないかについての確認を行います。

試験を行う野口宇宙飛行士
 これらの作業を通して、今後も、「きぼう」の製造スケジュールに合わせて、様々なハードウェアを対象にFCITを実施していく予定です。

最終更新日:2000年 6月22日

 
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