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「きぼう」日本実験棟の船内保管室、筑波宇宙センターへ到着!

「きぼう」日本実験棟
「きぼう」日本実験棟
 2000年5月、「きぼう」日本実験棟の船内保管室がシステム試験のために筑波宇宙センターへ輸送されましたので、ご紹介します。

船内保管室とは
 「きぼう」日本実験棟の船内保管室は、「きぼう」でのメンテナンスに必要なツールや、実験試料、そして万が一の機器の故障時に備えて予備品などを保管するところです。1気圧の空気で満たされているので、宇宙飛行士は普段着で作業をすることができます。
 「きぼう」は、2006年から2007年にかけ3回に分けてスペースシャトルで打ち上げられますが、最初に打ち上げられるのがこの船内保管室です。打上げ時には、「きぼう」の船内実験室に搭載されるシステムラック、実験ラック、保管ラック(*1)を8体搭載して打ち上げられ、一旦、米国のモジュールに取り付けられます。そして船内実験室が打ち上げられると、船内保管室は本来あるべき船内実験室の上部に移され、宇宙飛行士がシステムラックと実験ラックを船内実験室に移動します。ラックを移動するとその部分は空きスペースとなりますが、スペースシャトルや日本の宇宙ステーション補給機(HTV)で補給品が運ばれると、船内保管室に保管されることになります。

(*1) 「きぼう」の船内保管室には計8体のラックを設置することが可能です。ラックは国際宇宙ステーションで規格が統一されています。システムラックと呼ばれるラックには、「きぼう」の温湿度の調整を行ったり電力供給の調整を行うなどの、きぼうの制御を行う装置が搭載されます。また、実験ラックには、「きぼう」の船内実験室で使われる実験装置が搭載されます。

輸送は深夜に行われました
早朝に筑波宇宙センターに到着
 「きぼう」の船内保管室は、船内実験室と同じ愛知県名古屋市にある三菱重工業株式会社(MHI)名古屋航空宇宙システム製作所飛島工場で製作されました。工場で製作を終えた船内保管室は、5月13日に名古屋港から海上輸送で千葉県銚子港まで運び、銚子港からは河川を上って、5月17日深夜に茨城県土浦新港(霞ヶ浦)に到着しました。土浦新港からは筑波宇宙センターまで陸上輸送でトレーラーで運び、5月18日早朝に、筑波宇宙センターに到着しました。
 陸上輸送をするときにはコンテナが大きいためいろいろ注意しなければならないことがあります。まず、コンテナの幅は約5mもあるため2車線分の道路が必要になることや、車高が5m以上になるため信号や歩道橋にぶつからないように気を付けながら運ばなければなりません。さらに、船内保管室は精密機械のため衝撃を与えないように歩くくらいのスピードで慎重に運ぶ必要があります。このため、交通になるべく影響を与えないように通行量の少ない深夜帯に、交通規制を行って輸送が行われました。
筑波宇宙センターに運び込まれた船内保管室
船内実験室との結合面

今後の予定
 船内保管室は筑波宇宙センター搬入後、真空チャンバーを使用して船内保管室の温度が軌道上で規定の温度範囲に維持できることを確認する熱平衡試験、船内保管室からの空気の漏洩が規定値以下であることを確認するモジュールリーク試験、船内実験室内の材料から有害なガスが発生しないことを確認するオフガス試験やきぼう全体をシステム的に結合した状態での全体システム試験を行った後に、NASAケネディ宇宙センター(KSC)へ輸送され、2006年3月にスペースシャトルで打上げられる予定です。



最終更新日:2003年 4月 7日

 
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