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若田宇宙飛行士は、長期滞在期間中、「JAXA軌道上実験主任」(JAXAサイエンス・オフィサー)として、以下の実験を実施しました。
また、「きぼう」日本実験棟で行う日本の実験として、他国の宇宙飛行士が以下の研究に関するデータ記録を行います。
≫「きぼう」日本実験棟での実験の詳細や、実績・予定についてはこちら
目的 | 骨粗鬆症の治療薬(ビスフォスフォネート)を用いて、長期宇宙飛行の骨量減少と尿路結石リスクを軽減させる。本実験は、宇宙飛行の骨量減少に対する初の薬剤投与実験(日米共同研究)である。 |
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概要 | ISS滞在中に毎週経口薬を服用するか、飛行前に静脈注射を1回行うか、いずれかの方法で投薬する。飛行前後に骨密度、骨代謝マーカ、および、尿路結石の検査を行い骨量減少と尿路結石リスクの予防効果を検討する。 |
期待される成果 | 不動(宇宙飛行、寝たきり)や加齢に伴う骨量減少リスクを軽減。地上より短期間で薬剤効果を確かめられる。 |
若田宇宙飛行士の 作業 |
週1回錠剤を飲む。飛行前後に医学データを測定する。 |
詳細情報 |
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目的 | ホルター心電計とハイビジョンカメラ(HDTV)の実用性を検証し、軌道上の遠隔医療の充実を図る。 |
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概要 | ISSに長期宇宙滞在する宇宙飛行士の24時間連続心電波形をホルター心電計で記録し、データをダウンリンク後、心臓や自律神経の機能を評価できることを検証する。さらに、ハイビジョンカメラを用いて、ホルター心電計の電極装着部位と電極取り外し後の皮膚変化を高解像度画像で撮影し、遠隔診断を試みる。 (データ取得) 飛行前1回、飛行中2回、飛行後1回 |
期待される成果 | 循環機能や皮膚の遠隔診断技術を向上させ、遠隔地での医療や在宅医療の充実に役立てる。 |
若田宇宙飛行士の 作業 |
ホルター心電計で24時間心電図を記録する。ハイビジョンカメラで電極装着部の皮膚を撮像する。 |
詳細情報 |
目的 | 長期宇宙滞在する飛行士の24時間心電図記録を行い、生物学的リズムの変動と、睡眠中における心臓の休息度等を評価し、宇宙飛行士の健康管理技術の向上に役立てる。 |
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概要 | 長期宇宙滞在する飛行士を対象に、飛行前1回、飛行中3回(前・中・後期各1回)、および飛行後1回、24時間心電波形を記録し、データをダウンリンク後、心臓自律神経活動の解析・評価を行う。 |
期待される成果 | 動悸や不正脈時の循環機能や、自律神経機能診断などの遠隔医療に活用する。長期宇宙滞在が自律神経機能の概日リズムに及ぼす影響を、宇宙医学研究として解析する。 |
ISS長期滞在宇宙 飛行士の作業 |
ホルター心電計で24時間心電波形を記録する。 |
詳細情報 |
目的 | 「きぼう」船内の宇宙放射線環境の計測、及び若田宇宙飛行士搭乗時の被ばく線量を計測する。 |
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概要 | 受動型線量計を「きぼう」船内12箇所に6ヶ月程度設置して宇宙放射線環境を計測し、結果をデータベースとして整備。また、若田宇宙飛行士のシャトル搭乗、ISSでの滞在、地上への帰還の全期間受動型線量計を携行し、被ばく線量を測定。 |
期待される成果 | 「きぼう」での実験計画立案に必要な宇宙放射線情報を利用者に提供するとともに、将来の有人探査に必要となる基礎情報として蓄積、活用。宇宙飛行士の長期滞在における健康管理及びリスク評価への活用。 |
若田宇宙飛行士の 作業 |
若田宇宙飛行士が線量計を携帯し、被ばく線量を計測する。また船内環境計測用の線量計の取り付けを行う。 |
詳細情報 |
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目的 | 微小重力下で氷の結晶を成長させ、なめらかな形をした円盤状結晶から凹凸ができる過程を解明する。 |
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概要 | 溶液結晶化観察装置(SCOF)を使用し、結晶の形状や成長速度、結晶周辺の局所的な温度変化を詳細に調べる。 |
期待される成果 | 結晶の物質は異なっていても、成長の仕組みは共通であるため、結晶成長のメカニズムを解明することは、金属結晶の成長の仕組みを理解することにもつながり、より高品質な結晶成長の手法の確立などに役立つことが期待される。また、氷点下の環境で暮らす動植物の生体反応の解明や生きた臓器の保存や冷凍食品の品質保持技術の向上、海氷の生成・消滅や南極の氷床の生成などの自然現象の起こる仕組みの解明などへの応用が期待できる。 |
若田宇宙飛行士の 作業 |
実験支援機器(微小重力環境計測など)の起動や実験終了後の実験供試体の取り外しなどを行う。(実験自体は地上からのコマンドにより実施)。また、故障時や不測事態において、実験が継続できるように対応する。 |
詳細情報 |
目的 | 酸化物など最先端材料に使われるファセット結晶(平らな面を持つ結晶)の界面の成長過程や形態を詳細に観察し、結晶成長メカニズムを解明する。 |
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概要 | 試料溶液を凝固させ、成長したファセット結晶の形態および結晶周辺の温度場・濃度場を干渉計と顕微鏡を用いてリアルタイムで観察・計測する。 |
期待される成果 | ファセット結晶の代表的なものは酸化物の結晶である。非線形光学材料(※)として数多くの材料が存在する酸化物であるが、その成長のメカニズムの理解はそれほど進んでいない。今回の実験は、複雑なファセット結晶の成長・挙動の理解に貢献する基礎研究であり、半導体やその他の最先端材料の量産化や特性向上につながるものである。
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若田宇宙飛行士の 作業 |
実験供試体の装置への取付けなどの準備作業を実施。また、故障時や不測事態において、実験が継続できるように対応する。 |
詳細情報 |
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目的 | 組織形成と遺伝子の働きを重力環境と微小重力環境で比較することで、生物の組織形成における重力の影響について手がかりを得る。 |
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概要 | 腎臓由来細胞と比較用の肝臓由来細胞を15Aフライトで打ち上げ、「きぼう」内の細胞培養実験装置に移し、微小重力と人工重力(1G)の状態で10日間培養する。ドーム形成の状態についてクリーンベンチの顕微鏡観察を行った後、サンプルを薬剤処理して、冷凍冷蔵庫に保管し、2J/Aミッションで実験サンプルを回収。回収後は、遺伝子の働きや、ドーム形成に関わる遺伝子群に違いがあるどうかを分析する。 |
期待される成果 | アフリカツメガエルの腎臓由来細胞は、地上の重力環境では盛り上がったドーム構造を作るが、地上で微小重力状態を模擬した試験では形成せず、働きが活性化する遺伝子、抑制される遺伝子があることがわかってきた。本実験の結果、生物が宇宙で生き、世代交代をする時代に向けて、生物の発生、分化、形態形成が宇宙でも正常に起こるのか、地球上では眠っていた遺伝子が宇宙環境において活性化されるのかなど、生命現象と重力との関係について理解が進む。将来的には、組織の形成メカニズムの理解が進むことで、臓器再生の実現に貢献することが期待される。 |
若田宇宙飛行士の 作業 |
【15Aフライト2日目】 時間変化の比較用サンプルをシャトル内で薬剤処理。 【15Aフライト4日目】 サンプルを「きぼう」内の細胞培養実験装置に移し、実験を開始。 【2009年2月下旬以降】 クリーンベンチの顕微鏡観察を行った後、サンプルを薬剤処理して、冷凍冷蔵庫に保管。 【2009年5月】 2J/Aミッションで実験サンプルを回収。 その他、故障時や不測事態において、実験が継続できるように対応する。 |
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