このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。

<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。

サイトマップ

宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センタートップページ
  • Menu01
  • Menu02
  • Menu03
  • Menu04
  • Menu05
  • Menu06
  • Menu07

JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

星出彰彦宇宙飛行士
最終更新日:2012年7月4日

長期滞在中の実験

星出宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する間に実施されるJAXAに関わる実験は以下の通りです。現在の計画では、15項目の科学実験や理工学ミッションなどが予定されています。


科学利用分野

マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程(Marangoni EXP)
マランゴニ対流における時空間構造(Marangoni UVP)

目的 マランゴニ対流(表面張力により引き起こされる対流)のメカニズム解明に向けた基礎データを取得します。
概要 地上では実現できない大きな液柱をつくり、液柱の両端に温度差を与えてマランゴニ対流を発生させます。液柱両端の温度差を大きくしていくと、最初の安定した流れ(定常流)は振動流という周期的に変化する流れに変わり、さらにはカオスとよばれる状態になり、最後には乱流という完全に乱れた状態になります。実験では、液柱内部の流れの変化や液柱表面の温度測定などを行います。
期待される成果 マランゴニ対流のメカニズムを明らかにすることで、半導体などの結晶の高品質化、携帯電話やパソコン等の電子機器を冷却するヒートパイプの高効率化、化学分析や医療分析で重要となるマイクロ流体ハンドリング技術の確立などへの貢献が期待できます。
代表研究機関 横浜国立大学
JAXA
詳細情報
写真:より大きな写真へ

直径30mm、長さ60mmの液柱

イラスト:より大きなイラストへ

流れの観察手法

▲ページの先頭へ



微小重力における溶液からのタンパク質結晶の成長機構と完全性に関するその場観察による研究(Nano Step)

目的 微小重力で育成したタンパク質結晶の完全性向上の原因を明らかにするため、タンパク質結晶の成長メカニズムと、成長時に導入される欠陥、特に、完全性を低下させる微細欠陥との関連を明らかにします。
概要 溶液結晶化観察装置(Solution Crystallization Observation Facility: SCOF)を用いて、微細欠陥を引き起こす要因と思われる、不純物粒子の流れを無視しうる微小重力場で、正方晶形卵白リゾチーム結晶の結晶育成を行い、主に次の2つの測定/観察を行います。
(1) マイケルソン型干渉計による、結晶の微小な成長速度と成長表面トポグラフ(セル構造、成長様式)の過飽和度依存性“その場”測定を行います。
(2) 微細欠陥の密度をエッチングなどにより計測し、微小重力環境における完全性の向上メカニズムを明らかにします。
期待される成果 医薬品の開発、環境・エネルギー問題の解決に貢献できます。
代表研究機関 東北大学
詳細情報
写真

反射型干渉計で観察した結晶表面

写真

実験で使用する専用機器

▲ページの先頭へ



メダカにおける微小重力が破骨細胞に与える影響と重力感知機構の解析(Medaka Osteoclast)

目的 宇宙の微小重力環境において起きる骨量減少に関して、メダカの細胞を用いて宇宙空間における骨代謝について解析します。
概要 重力影響を受ける可能性がある咽頭歯部にある破骨細胞を用い、微小重力下での破骨細胞活性の変化に関し解析、検討を行います。
また、生体内で特に高密度の歯と骨の周囲にある組織と細胞について組織解析と遺伝子発現解析を行い、生物の重力感知機能について検討します。
期待される成果 生物の重力感知機構について解析することにより、重力による骨量減少を解明します。
代表研究機関 東京工業大学
詳細情報
写真:より大きな写真へ

メダカトランスジェニックライン(緑に光っているものが破骨細胞)

▲ページの先頭へ



国際宇宙ステーション内における微生物動態に関する研究(Microbe)

目的 「きぼう」でのサンプリングを通して、どんな微生物がISSに住んでいるかを調べます。
概要 「きぼう」の内部で採取した、微生物が含まれると考えられるサンプルを地上に持ち帰り、詳細に解析を行います。
期待される成果 得られる成果から、クルーや機器に及ぼす影響を最小限に抑えるための微生物対策が 期待されます。
代表研究機関 JAXA
詳細情報
写真:より大きな写真へ

ISSにおける微生物叢(微生物の種類、量、割合、分布などの構成)

写真:より大きな写真へ

細菌を蛍光色素で「染め分け」たバイオ・イメージング画像

▲ページの先頭へ



宇宙医学

長期宇宙滞在宇宙飛行士の毛髪分析による医学生物学的影響に関する研究(Hair)

目的 毛髪を分析することによって宇宙環境が人体に与える影響を評価し、宇宙飛行士の健康管理に役立てます。
概要 飛行前、飛行中、飛行後に毛髪を採取します。毛幹の微量元含有量、および毛根部の細胞に含まれる遺伝子やタンパク質などの変化を調べます。
期待される成果 毛髪は環境から受けるストレスに敏感に反応しています。毛髪の遺伝子発現や微量元含有量を調べれば、宇宙に滞在する宇宙飛行士の健康状態を知ることができるようになると期待されます。
代表研究機関 JAXA
写真:より大きな写真へ

サンプル回収キット

▲ページの先頭へ



宇宙医学実験支援システムの機能検証

目的 軌道上で取得した医学実験データを宇宙医学実験支援システムに取り込み、システムの操作性、データインターフェースの信頼性等に係わる機能検証を行います。前回は古川宇宙飛行士が医師の視点から機能検証を行い、今後の軌道上における運用へ向けたシステムの運用性の確認、課題抽出などを行いました。今回は医師ではない星出宇宙飛行士が機能検証を行うことにより、医師以外でも問題なく使えることを確認しました。
概要 宇宙医学実験支援システムは、小型高性能の様々な医療機器から取得した医学実験データを軌道上で統合管理し、簡易分析を可能とするシステムです。電子聴診器や脳波計、USBカメラ(webカメラ)など5種の機器を使います。USBカメラは歯、目の状況を地上から健康診断を行うため に使われます。このUSBカメラと電子聴診器のデータはリアルタイムで地上にも送信できます。
期待される成果 宇宙飛行士が、軌道上で自己の医学データを記録・参照するためのカルテとして機能し、健康状態のモニタと体調管理に役立てることができる宇宙医学実験支援システムが、将来的に構築されることが期待されます。
代表研究機関 JAXA
イラスト

宇宙医学実験支援システムに医学実験データが集約・管理される医療機器の構成

▲ページの先頭へ



長期宇宙飛行時における心臓自律神経活動に関する研究
(Biological Rhythms)

目的 長期宇宙滞在する飛行士の24時間心電図記録を行い、生物学的リズムの変動と、睡眠中における心臓の休息度等を評価し、宇宙飛行士の健康管理技術の向上に役立てます。
概要 長期宇宙滞在する飛行士を対象に、飛行前1回、飛行中3回(前・中・後期各1回)、および飛行後1回、24時間心電波形を記録し、データをダウンリンク後、心臓自律神経活動の解析・評価を行います。
期待される成果 不整脈や虚血性変化が起こった時の循環機能評価や、自律神経機能診断などの遠隔医療に活用します。
長期宇宙滞在が心臓自律神経機能の概日リズムに及ぼす影響を解析します。
代表研究機関 JAXA
参考情報
イラスト:より大きなイラストへ

心臓自律神経機能の解析

写真

心電波形記録用のデジタルホルター心電計

▲ページの先頭へ



宇宙放射線計測(「きぼう」船内および個人被ばく)

目的 「きぼう」船内の宇宙放射線環境の計測、及び宇宙飛行士搭乗時の被ばく線量を計測します。
概要 受動型線量計を「きぼう」船内12箇所に6ヶ月程度設置して宇宙放射線環境を計測し、データベースとして整備します。また、宇宙飛行士が受動型線量計を携行し、被ばく線量を測定します。
期待される成果 「きぼう」での実験に必要な宇宙放射線情報を利用者に提供します。将来の有人探査に必要な基礎情報を蓄積します。長期滞在宇宙飛行士のリスク評価や健康管理にも活用します。
代表研究機関 JAXA
詳細情報
写真:より大きな写真へ

フライト期間中、宇宙飛行士が携帯する個人線量計

イラスト:より大きなイラストへ

PADLESの設置位置

▲ページの先頭へ



理工学ミッション

小型衛星放出技術実証ミッション

目的 「きぼう」のエアロックとロボットアームを活用した小型衛星放出の技術実証を行います。
概要 5機の小型衛星を装填した小型衛星放出機構を取り付けた親アーム先端取付型実験プラットフォームを、「きぼう」のエアロックを使用して船外に搬出し、「きぼう」のロボットアームにより放出位置まで移動して、小型衛星を放出するミッションです。
期待される成果 ロボットアームと小型衛星放出機構を使った衛星放出ミッションは初の試みであるため、運用手順やプロセスの確立を図ります。技術実証成功後は運用段階への移行を目指し、小型衛星ユーザーに対して打上げ機会を提供します。
代表研究機関 JAXA
詳細情報
写真:フォトライブラリへ

プレス公開された小型衛星放出機構

イラスト:より大きなイラストへ

「きぼう」からの小型衛星放出イメージ

▲ページの先頭へ



再突入データ収集装置i-Ball放出

目的 宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機(HTV3)に再突入データ収集装置i-Ballを搭載し、大気圏再突入時のデータ取得に挑みます。
概要 「こうのとり」3号機がISSから取り外される前、補給キャリア与圧部内に再突入データ収集装置i-Ballを取り付けます。i-Ballは「こうのとり」3号機の大気圏再突入に伴う機体破壊とともに放出され、パラシュートにより海上に着水します。着水後、i-Ballはイリジウム衛星を経由して取得したデータを地上へ送信します。
期待される成果 再突入する宇宙機の破壊現象を特定することにより、落下の予測精度を高めて着水警戒区域の縮小につなげるとともに、大気・加熱率などの宇宙機の設計(回収機であれば耐熱性の検証、廃棄する機体であれば耐熱性や強度のマージンを減らして燃え尽きやすい設計とする)に役立てるためのデータを取得します。
代表研究機関 JAXA
詳細情報
写真:フォトライブラリへ

プレス公開された再突入データ収集装置i-Ball

▲ページの先頭へ



その他

文化・人文社会科学利用パイロットミッション「手に取る宇宙~message in a bottle~」(再実施)

目的 ガラスのボトルに宇宙の真空を詰め込み、地上へ回収します。
概要 小型衛星放出実証ミッションの機会を利用して、「きぼう」のエアロックからボトルを船外へ搬出し、ボトル内に真空を満たします。親アーム先端取付型実験プラットフォーム上の空きスペースにこのボトルを取り付け、プラットフォームが船外に搬出されると、空気が自動的に抜けてボトル内の真空が保持される仕組みとなっていす。ボトルは小型衛星放出ミッション終了時に「きぼう」船内に戻され、その後、地上に回収されます。
期待される成果 ガラスのボトルに詰め込まれた宇宙を、地上で人々が手にすることにより、この世界の外側で行われている宇宙飛行士と人類の活動について、人類と宇宙との関係について、そして、未来の人類に向けられたメッセージを感じ取ります。
代表研究機関 京都市立芸術大学
詳細情報

そのほか、有償利用テーマの実施や、教育利用として「宇宙ふしぎ実験」、活動レポート、ビデオ撮影などを計画しています。

▲ページの先頭へ



 
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency SNS運用方針 | サイトポリシー・利用規約