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国際宇宙ステーションの組立フライト 13A(STS-117)

S3/S4トラス

最終更新日:2007年6月8日
画像:S3/S4トラス

S3/S4トラス(写真は太陽電池パドル(SAW)を収納した状態です。)

S3/S4トラスの仕様
長さ 約13.7m
高さ 約4.6m
奥行き 約5.0m
質量 約16,184kg

S3/S4トラスは、国際宇宙ステーション(ISS)を構成するトラスの一部で、ISSの右舷側(Starboard)に取り付けられます。S4トラスには太陽電池パドル(Solar Array Wing: SAW)がふたつ装備されており、S3/S4トラスがISSに結合されることにより、ISSへの供給電力が増大します。

S4トラスS3トラスの太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)によって回転します。また、S4トラスと太陽電池パドルの結合部のベータ・ジンバル・アセンブリ(Beta Gimbal Assembly: BGA)は、SARJの回転軸と直角の回転軸を持っているため、BGAとSARJを組み合わせてSAWを回転させることで、太陽を追尾し、効率よく発電を行うことができます。

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S3/S4トラスの取付けイメージ

S3/S4トラスは、スペースシャトル「アトランティス号」がISSにドッキングした後、スペースシャトルのロボットアーム(SRMS)によってペイロードベイ(貨物室)から取り出されます。そして「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)に受け渡され、カナダアーム2によってISSのS1トラスの先に取り付けられます。その後、船外活動によりケーブルの接続作業を行い、地上からのコマンドで起動されます。

S3トラス

画像:S3トラス

S3トラスは太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)、トラス結合機構(Segment‐to‐Segment Attach System: SSAS)、ペイロード取付システム(Payload Attach System: PAS)から構成されます。

太陽電池パドル回転機構(SARJ)

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太陽電池パドル回転機構(SARJ)の構成

太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)は、太陽電池パドル(SAW)を装備したS4トラス、および今後打ち上げられるS6トラスを回転させるための機構で、直径は約3.5m、重量は約1,134kgあります。回転は、両方向に360度可能です。また、SARJ は、S3トラスとS4トラス間の構造的なインタフェースの役割を果たすと共に、SARJ中央部にあるユーティリティ・トランスファー・アセンブリ(Utility Transfer Assembly: UTA)を通して、電力と通信データをS3/S4トラスで供給する事ができます。

トラス結合機構(SSAS)

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S3トラスのトラス結合機構(SSAS)(○で囲ってある部分)

トラス結合機構(Segment‐to‐Segment Attach System: SSAS)にはアクティブ側とパッシブ側の2種類の機構があり、S3トラスにはパッシブ側、結合先のS1トラスにはアクティブ側のSSASが装備されています。結合は船内からのコマンドで行うことができますが、不具合などで遠隔操作による結合ができなくなった場合は、船外活動により、手動で結合させることができる設計になっています。

ペイロード取付システム(PAS)

ペイロード取付システム(Payload Attach System: PAS)は、実験ぺイロードや予備の軌道上交換ユニット(Orbital Replacement Unit: ORU)を保管するための機構です。PASは、ペイロードを保護する役割を果たすとともに、電力や通信データをペイロードに供給することができます。S3トラスには4基のPASが装備されています。

S4トラス

画像:S4トラス

S4トラスは太陽電池パドル機構(Photovoltaic Array Assembly: PVAA)、制御機器アセンブリ(IEA)、改良型トラス結合システム(Modified Rocketdyne Truss Attachment System: MRTAS)から構成されます。

太陽電池パドル機構(Photovoltaic Array Assembly: PVAA)

太陽電池パドル機構(PVAA)2基がS4トラスに装備されています。PVAAは太陽電池パドル(SAW)とベータ・ジンバル・アセンブリ(BGA)から構成されています。

太陽電池パドル(SAW)
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太陽電池パドル(SAW)の構成

SAWは、太陽電池ブランケット2枚、ふたつの太陽電池ブランケット収納箱(Solar Array Blanket Box: SABB)、マスト、マスト収納容器(Mast Canister Assembly: MCA)から構成されています。

SAWの2枚の太陽電池ブランケットには、大きさ8cm2のシリコン太陽電池がそれぞれ16,400枚ずつ貼り付けられており、シリコン太陽電池の枚数は合計で32,800枚になります。打上げ時は、厚さ約50cmに折り畳まれた状態でSABBに収納され、軌道上でマストを伸ばして展開されます。展開後のSAWの大きさは、幅約11.6m、長さ約35mになります。マストは引き込むこともできる設計になっており、軌道上で折り畳んで修理・回収を行うことができます。

画像:太陽電池パドル(SAW)の展開イメージ

太陽電池パドル(SAW)の展開イメージ

ベータ・ジンバル・アセンブリ(BGA)
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ベータ・ジンバル・アセンブリ(BGA)

BGAは、太陽電池パドル(SAW)を太陽方向に追尾させたり、任意の角度に固定させるための機構です。BGAは、SAWを360度、両方向に回転させることができます。

制御機器アセンブリ(IEA)

IEAは電力を貯蔵すると共に、電圧を平滑化し、電力をISS各部に供給する役割を果します。またIEAは太陽電池パドル機構(PVAA)を支える構造部としての機能も担っています。重量は約7,711kgあります。IEAは電力制御システム、熱制御システムから構成されています。

電力制御システム

電力制御システムは電力供給を行う直流切替器(Direct Current Switching Unit: DCSU)、シーケンシャル・シャント・ユニット(Sequential Shunt Unit: SSU)で粗く平滑化された電力をさらに平滑化する直流変圧器(Direct Current to Direct Current Control Unit: DDCU)、そして蓄電システムから構成されています。

熱制御システム(PVTCS)
写真

ラジエータ(収納時)

熱制御システム(PVTCS)は、コールドプレート(冷却板)8枚、2基のポンプ制御システム(Pump Flow Control System: PFCS)、ラジエータ(Photovlitaic Radiator: PVR)から構成されています。ラジエータにアンモニア冷媒を流し、IEAの余分な熱を宇宙空間へ放出します。

改良型トラス結合システム(MRTAS)

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改良型トラス結合システム(MRTAS)(○で囲ってある部分)

MRTASは、S4トラスの先端に取り付けられている結合機構で、次回のSTS-118ミッションで運搬される予定のS5トラスとの結合に使用されます。トラス結合機構(SSAS)と違い、船外活動による結合作業が必要になります。

(写真、画像は全てNASA提供)

 
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