6月初め、ドイツの欧州宇宙飛行士センター(European Astronaut Centre: EAC)で、欧州宇宙機関(ESA)が開発した「コロンバス」(欧州実験棟)の運用や実験に関わる最後の訓練を終えた星出宇宙飛行士は、ロシアへ移動し、第32次/第33次長期滞在クルーとして一緒に飛行士するユーリ・マレンチェンコ、サニータ・ウィリアムズ両宇宙飛行士とともに、ガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で、国際宇宙ステーション(ISS)のロシアモジュールとソユーズ宇宙船に関わる最終訓練に臨みました。
訓練では、シミュレータを使用して、ソユーズ宇宙船の打上げおよび帰還時に、さまざまな異常が発生した際の対応や、ロシアモジュールで行う日課の作業を模擬した長時間にわたるシミュレーションなど、実運用に近い内容の訓練を中心に行いました。その他にも、欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)分離時にクルーが実施する作業など、第32次/第33次長期滞在中固有の任務についても訓練を行いました。GCTCでは、訓練以外に、医学研究のための基礎データ取得なども行いました。
また、星出宇宙飛行士らは、モスクワ郊外コロリョフのツープ(TsUP)宇宙飛行管制センターを訪れ、ISSのロシアモジュールの飛行管制官と、ミッション中の計画や現在のロシアモジュールの運用状況、ISSで定常的にクルーが実施する作業について確認しました。
6月19日と20日には、GCTCでロシアモジュールとソユーズ宇宙船に関わる最終試験を受け、見事な成績で試験を通過し、ロシア連邦宇宙局(FSA)により、ソユーズ宇宙船(31S)搭乗クルーとして正式に承認されました。
6月22日には、GCTCで記者会見を行い、ISS長期滞在開始を目前に控えた今の心境や、ミッションに向けた抱負などを語りました。会見後には、打上げに向けた伝統的なセレモニーに参加し、星の街の博物館や、モスクワのクレムリンを尋ねました。