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JAXA宇宙飛行士活動レポート

JAXA宇宙飛行士活動レポート 2009年7月

最終更新日:2009年8月31日

JAXA宇宙飛行士の2009年7月の活動状況についてご紹介します。

なお、若田宇宙飛行士の7月の活動については、JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在2J/A(STS-127)ミッションページをご覧ください。

「きぼう」日本実験棟、宇宙ステーション補給機(HTV)訓練

国際宇宙ステーション(ISS)の第22次/第23次長期滞在クルーである野口宇宙飛行士は、バックアップクルーの古川宇宙飛行士とともに日本に一時帰国し、筑波宇宙センター(TKSC)にて「きぼう」日本実験棟で行う実験、「きぼう」と宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)に関わる訓練を行いました。

実験運用に関わる訓練では、筋肉が萎縮するメカニズムを解明する「蛋白質ユビキチンリガーゼCblを介した筋萎縮の新規メカニズム(Myo Lab)」、宇宙放射線の遺伝子への影響や損傷した細胞の微小重力下での修復能を解明する「宇宙放射線と微小重力の哺乳類細胞への影響(Neuro Rad)」、「マランゴニ対流における時空間構造(Marangoni UVP)」などについて、実験の概要および使用する実験装置・試料などの操作方法を学びました。

「きぼう」とHTVに関わる訓練では、システムや運用について、「きぼう」ロボットアームの子アームの操作、エアロックの操作、「きぼう」ロボットアームを使用した船外実験装置の移設操作を行いました。

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記者会見の様子(左から野口、古川両宇宙飛行士)

今回の訓練は、野口宇宙飛行士にとって、打上げ前最後の日本での訓練となりました。訓練の合間を縫って、野口、古川両宇宙飛行士は、TKSCにて記者会見を行いました。記者会見では、訓練の状況や打上げまでの残りの訓練への意気込みなどを語りました。野口宇宙飛行士は、「若田宇宙飛行士は第一人者として本当に素晴らしい活躍をしてくれた。後に続く私としては、若田宇宙飛行士に負けないように、後は、少し肩の力を抜いて行きたい。」と現在の心境を語り、古川宇宙飛行士は、「医者というバックグランドを活かし、システムの運用に加え科学実験にも積極的に関わって行きたい。」と、ISS長期滞在に向けた思いを語りました。

野口聡一宇宙飛行士
古川聡宇宙飛行士
JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在


野口飛行士のソユーズ宇宙船での打上げまで4ヶ月を切り、訓練も最終段階に近づいてきました。野口飛行士のミッションが素晴らしいものとなるよう、私はバックアップとして支えていきたいと思います。みなさんも、野口飛行士を応援してくださいね。

ISS長期滞在訓練

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船外活動の準備、片付け作業の訓練の様子(右から野口、古川、クリーマー宇宙飛行士)

国際宇宙ステーション(ISS)の第22次/第23次長期滞在クルーである野口宇宙飛行士は、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)にて、ISS長期滞在に向けた訓練を行いました。

野口宇宙飛行士は、第22次/第23次長期滞在クルーのティモシー・クリーマー宇宙飛行士とバックアップクルーの古川宇宙飛行士とともに、「クエスト」(エアロック)のモックアップ(実物大の訓練施設)を使用して、船外活動ユニット(Extravehicular Mobility Unit: EMU)の整備作業など、船外活動の準備や片付け作業の手順を確認しました。

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シミュレータ上でロボットアームを操作する野口宇宙飛行士(手前)

また、クリーマー宇宙飛行士とともに、バーチャルリアリティ(VR)システムを使用してISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)と「きぼう」日本実験棟のロボットアームの運用を摸擬した訓練を行いました。訓練では、宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)の曝露パレットを「きぼう」のロボットアームからSSRMSに渡し、HTVの補給キャリア非与圧部に移送する手順を確認しました。

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アマチュア無線交信を行う野口宇宙飛行士

その他、ISS長期滞在中に実施する予定のアマチュア無線での交信イベントの予行演習を行い、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)のモックアップの訓練機器を使用して、実際に米国の学校と交信を行いました。

野口聡一宇宙飛行士
JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

宇宙飛行士候補者の国内基礎訓練

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エアロックの操作訓練を行う油井宇宙飛行士候補者

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ロボットアームの操作訓練を行う大西宇宙飛行士候補者

油井、大西両宇宙飛行士候補者は、国内での基礎訓練の一環で、「きぼう」日本実験棟に関わる訓練を筑波宇宙センター(TKSC)で行いました。

訓練では、「きぼう」の構造やシステムのほか、電力系、通信制御系、熱制御系、環境制御系、実験支援系などのサブシステムについて学びました。

また、油井宇宙飛行士候補者は「きぼう」のエアロック訓練の様子を、大西宇宙飛行士候補者は「きぼう」のロボットアーム訓練の様子を報道関係者らに公開しました。

訓練後に記者会見が行われ、油井宇宙飛行士候補者はNASAでの訓練について、「NASAやカナダの候補生とともに訓練を受けることを楽しみにしている。彼らと仲良く訓練をともにしながらも、競争だということを忘れず、日本の代表として、恥ずかしくないような訓練の成果を出したい。」と抱負を語りました。

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記者会見の様子(左から油井、大西両宇宙飛行士候補者)

大西宇宙飛行士候補者は国内訓練を振り返り、「朝起きたときからその日の訓練の事を考え、TKSCでの訓練、帰宅後の予習、復習であっという間に1日が過ぎていく感じだが、充実した生活が送れている。」と述べ、「これから先の訓練は厳しいだろうが、一つ一つ楽しむ気持ちを忘れずに、頑張っていきたい。」と、NASAでの訓練について意気込みを語りました。

2J/Aミッション中のJAXA宇宙飛行士の活動

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CAPCOM業務中の星出宇宙飛行士

若田宇宙飛行士が「きぼう」日本実験棟を完成させ、帰還した2J/A(STS-127)ミッションは、地上の多くの人により支援されましたが、JAXA宇宙飛行士も、さまざまな形で支援に加わりました。

星出宇宙飛行士は、2J/Aミッションの間、NASAのミッション・コントロール・センター(Mission Control Center: MCC)で、国際宇宙ステーション(ISS)との交信を担当するCAPCOM(Capsule Communicator)を務めるとともに、リードCAPCOMとしてISSおよびスペースシャトルのCAPCOMの取りまとめを務めました。星出宇宙飛行士は、9月11日に打ち上げられる予定の宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)のミッション中も、主にロボティクス運用を行う日にNASAでCAPCOMを担当する予定です。

山崎宇宙飛行士は、飛行7日目船外パレット取付け作業について、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)にて取材中の日本人報道関係者向けに解説を行いました。また、今後HTVで打ち上げられる「きぼう」ロボットアームの子アームについても紹介しました。

現在、STS-131ミッションに向けて訓練を行っている山崎宇宙飛行士は、2J/Aミッション中、報道関係者らに、STS-131ミッション固有のロボットアーム訓練の様子を公開しました。訓練では、多目的補給モジュール(Multi-Purpose Logistics Module: MPLM)をスペースシャトルのペイロードベイから取り出して「ハーモニー」(第2結合部)に取り付ける作業や、MPLMをハーモニーから取り外してペイロードベイに回収する作業を手順書にしたがって行いました。

山崎宇宙飛行士は、着陸後のJAXA会見にも参加し、若田宇宙飛行士がISS長期滞在を終えて帰還したことについて、「同じ宇宙飛行士仲間としてうれしく思う。若田宇宙飛行士、野口宇宙飛行士、そして自分と続いていきたい。」と語りました。

2J/Aミッション

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