ISS搭乗宇宙飛行士の2003年4月の活動状況についてご紹介します。
2003年5月2日、「きぼう」日本実験棟船内実験室が、米国NASAケネディ宇宙センター(KSC)へ向けて日本を出発しました。
この輸送に先立ち、4月11日には、コンテナに収納される前の船内実験室が報道関係者に公開されました。日本国内で船内実験室を見ることのできる最後の機会となったこの公開において、角野宇宙飛行士は、JEM(Japanese Experiment Module)プロジェクトチームの一員としてシステム・インテグレーション(開発業務)に携わった経験や、宇宙飛行士として様々な試験・訓練に立ち会った経験等を生かし、プレスからの質問やインタビューに答えました。
「きぼう」船内実験室の米国への輸送については、こちらをご覧ください。
星出宇宙飛行士は、2月から引き続き行われているスペースシャトル「コロンビア号」事故調査状況説明会にNASDAの技術者とともに出席し、事故調査本部の調査状況について説明するとともに、記者からの質問に応えました。
NASDAコロンビア号事故調査報告についてはこちらをご覧ください。
日本医学会の主催により、4年に1度開催される日本医学会総会。26回目を数える今回は、“人間科学 日本から世界へ-21世紀を拓く医学と医療 信頼と豊かさを求めて-”を基本理念に、福岡国際会議場、マリンメッセ福岡、福岡ドーム、九州大学など福岡市内の複数の会場で、4月上旬開催されました。
古川宇宙飛行士は、この総会の学術講演初日にあたる4日、学術プログラムとして、「宇宙環境下における医学」と題する特別講演を行いました。福岡サンパレス大ホールを会場に行われたこの講演で、古川宇宙飛行士は、座長を務められた澤倫太郎日本医師会常任理事の紹介により、壇上に登場。集まった多くの先輩医師、医療関係者、また後輩に当たる医学生らを前に、宇宙酔い、宇宙での骨量減少・筋力低下対策の運動などと言った医学的テーマに加え、自らの訓練や宇宙での生活、国際宇宙ステーションについてなどを紹介しました。
4月19日、科学技術週間イベントの一環として、“つくばから宇宙へ”をキャッチフレーズに筑波宇宙センターの特別公開が行われ、述べ3900名が筑波宇宙センターを訪れました。
古川宇宙飛行士は、「宇宙飛行士に挑戦!~英語訓練編~」に、実際の宇宙飛行士訓練でも英語訓練の講師を務めるGary先生と一緒に登場。子どもたちを中心に集まった大勢の観客を前に、自らの訓練を紹介したり、英語による無線交信用語の訓練、交信シミュレーション、さらにはロシア語による挨拶の練習まで内容は広がり、コーナーは大いに盛り上がりを見せました。
筑波宇宙センター特別公開についてはこちらをご覧ください。
4月21日、第70回郵政記念日の記念イベントとして、角野宇宙飛行士が出身地である千葉県松戸市の松戸郵便局で1日郵便局長を務めました。
1日郵便局長就任式を経て、局長に就任した角野宇宙飛行士は局内で訓辞を述べ、続いて、自らの母校の小学校や松戸市役所を訪問し、集まった多くの人々の歓迎の中、郵便を配達しました。その後、局内の集配の現場を視察し、局員や多くの市民との交流を持った1日となりました。
4月12日、子供放送局「夢スタジオ1030」が国立オリンピック記念青少年総合センター内の特設スタジオから生放送され、星出宇宙飛行士がゲストとして出演しました。この番組は小学校低学年から中学生を対象とし、衛星回線にて結ばれた全国3,000ヶ所を超える会場の子供たちとゲストとが直接話すことにより、子供たちの将来の夢をふくらませることを目的とした番組です。
星出宇宙飛行士は、宇宙環境や宇宙飛行士の訓練、ISS、「きぼう」、そして宇宙飛行士になるまでの経緯などについてVTRや簡単な実験を交えて90分に渡って説明し、スタジオの子供たちやFAXで寄せられた質問に答えました。最後にコロンビア号の事故にも触れ、「悲しいことですが、これを乗り越え頑張っていきたいと思います。みんなと仲良く、そして自分たちの興味のあることにいろいろチャレンジしてください。」と子供たちへメッセージを送りました。
ISS搭乗日本人宇宙飛行士活動レポート5月分は6月中旬頃に掲載予定です。お楽しみに。