補給キャリア与圧部搭載品(船内物資)
利用実験関連品
"放出能力倍増で「きぼう」利用の高度化を拓く"
- 小型衛星放出機構(J-SSOD)
従来の6U→12Uへ放出機能を倍増させた小型衛星放出機構を輸送します。
- 超小型衛星(CubeSat)
九州工業大学、有人宇宙システム株式会社、東京大学、筑波大学、静岡大学、㈱中島田鉄工所、早稲田大学が開発した計7基の超小型衛星を輸送します。
参考 「こうのとり」6号機に搭載する超小型衛星7基を公開しました - 沸騰・二相流実験装置(TPF)
「きぼう」を利用した沸騰・二相流実験(TPF)
宇宙機の高度化・大型化に伴い、より高効率な冷却システムによる対応が必要となっており、沸騰による潜熱を活用した冷却は、今後の宇宙機に適用する技術として有望です。
沸騰・二相流実験により微小重力での排熱効率および重力加速度依存性を明らかにし、宇宙での沸騰冷却システムを実証します。
宇宙機船内用の高精度かつコンパクトで、リアルタイム計測できる線量計です。ISS上に搭載し、動作の実証を行います。
4K、2Kカメラと2種類のハイビジョンカメラを搭載。夜間観測も可能です。
システム関連品
- 二酸化炭素除去装置(CDRA)軌道上交換ユニット
NASAからの依頼により、ISSに滞在する宇宙飛行士の生命維持にきわめて重要な装置である二酸化炭素除去装置(CDRA)の軌道上交換ユニットを輸送します。
大型かつ特殊な形状のため搭載方法を工夫、「こうのとり」ならではのレイトアクセス機能を使って打上げ約1週間前に搭載予定です。
搭乗員関連品
- 飲料水
5号機に引き続き「こうのとり」では、種子島の水源から採取した水600リットルを輸送します。これは宇宙飛行士3人で約4ヶ月分に相当する量で、軌道上ではリサイクルしながら飲料水等として使用します。
「こうのとり」の打上げ射場がある種子島は、年間降水量が2000mm以上と多く、地下水や湧水などが豊富で島民も生活用水、農業用水等にそれを利用しています。 - 生鮮食品
日本産生鮮食品を輸送予定です。
補給キャリア非与圧部搭載品(船外物資)
- ISS用新型リチウムイオンバッテリ
日本製リチウムイオン電池を使用した、ISS用新型リチウムイオンバッテリ6台を輸送します。
現在ISSで使用されているニッケル水素バッテリは老朽化が進んでおり、日本製リチウムイオン電池があって初めてISS運用延長が実現します。このバッテリを輸送出来るのは日本の「こうのとり」だけで、日本がISS運用に不可欠な役割を担っています。
また、新型バッテリ輸送のため、曝露パレットを改良しました。
軌道上実験装置
- KITE:HTV搭載導電性テザーの実証実験 (Kounotori Integrated Tether Experiment)
宇宙開発利用の長期持続性のためには、効率的なデブリ対策が必要です。
2020年代中頃のロケット上段のデブリ除去実用化を目指し、「こうのとり」6号機を活用した導電性テザーの要素技術実証を実施します。実証実験はISS離脱後大気圏再突入までの間に7日間かけて実施される予定です。
- SFINKS:宇宙用薄膜太陽電池フィルムアレイシートモジュール実証 (Solar Cell Film Array Sheet for Next Generation on Kounotori Six)
復路の搭載物資
「こうのとり」は、使用済みの資材など最大6トンの貨物を搭載して大気圏に再突入させる役割を担います。
6号機では、輸送したISS用新型リチウムイオンバッテリと置き換えた、ニッケル水素バッテリを搭載し、大気圏に再突入します。