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3. 予備実験・調査研究 |
本共同研究の最終年となる2003年度は、「きぼう」内での「宇宙庭」実験を想定したモデル作りのための予備実験、その結果を踏まえて実物大のモデル制作、提案発表を目指した。 まずモデル制作に先立ち以下の項目を中心に予備実験、調査研究をおこなった。 (1)「きぼう」内で生育できる植物の調査 (2)植物の生育を保つ培地の開発、研究 (3)「宇宙庭」の形態の模索、研究 これらの項目は平行して個別に調査、実験がおこなわれたが、選択された植物とその培地、浮遊する庭のフォルム等は当然のことながら関連している。最終的に、「宇宙庭」という統合されたものとして提示することを念頭に実験は進められた。 なお、JAXAからの「きぼう」内の環境に関する情報、過去の植物に関する実験資料の検討、植物の生態学的側面からの調査、実験などについては、京都大学農学部環境デザイン・森本研究室所属、萩原篤氏の全面的な協力を得て進められた。 |
当初、きゅうりの発芽実験、ミールでの小麦の育成実験など、過去に実施された植物実験に使用された培地の情報を得て、「宇宙庭」にも同様のものを使用することを考えたが、昔から軒先にぶら下げ観賞されてきた、しのだま(苔玉)の技法を利用する方が、浮遊する庭の培地としては発展性があるのではないかと考え、以下の点について実験、研究をおこない検討することとした。
しのだまは腐植した植物の繊維などを芯として、シダやコケが表面に付着したものだが、実験では手に入れやすい腐植土であるピートモスを使用した。 |
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「宇宙庭」の形態の模索については、2003年3月末におこなった、微小重力環境下での物体の動きを記録することを目的としたパラボリックフライトによる実験の結果を踏まえ、それをさらに発展させることとした。 |
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