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NASDAデイリーレポート

2月 17日(木) 飛行 6日目
スペースシャトルの毛利宇宙飛行士
SRTM生成画像(速報版)
カムチャッカ半島の西側
 
EarthKAMで撮影した伊豆地方

 現在、スペースシャトルは順調に飛行を続けており、地形データは予定通り順調に取得されています。スペースシャトルは1分間に約10万平方キロメートルの面積(東京都の約47倍に相当)にわたる地形データを取得しています。すでに、目標としている地域の73%以上、約9000万平方キロメートルの観測を終了しました。
 EarthKAMではすでに1033枚の写真を撮影しています。EarthKAMはスペースシャトルの過去4回の飛行で合計約2000枚の写真を撮影しています。
 EarthKAMは、中学生などがインターネットを通じてスペースシャトルに搭載された電子カメラで地球を撮影 し、その写真を活用して理科や社会科の諸テーマで研究を行う教育プログラムです。日本時間の2月16日午前10時48分頃に、スペースシャトルは日本上空を南から北に通過しました。このときに、日本の学校が日本の撮影を行っていました。
 軌道修正時のマストの振動を最小に押さえるための「フライキャスト・マヌーバ」と呼ばれる軌道修正噴射は、米国中部標準時間2月15日午後11時6分(日本時間2月16日午後2時6分)に4回目の噴射を実施し、所定の軌道修正を問題なく完了しました。
 なお、マストの姿勢を維持するためにマストの先端に取り付けられた窒素ガス・スラスタの不具合については、オービタのスラスタを代用していますが予定以上の燃料を消費するため、推進剤をさらに節約する手順を現在検討しています。飛行管制官とクルー達は、計画された9日と9時間の観測を行うのに十分な推進剤と電力があると考えています。

本日の毛利宇宙飛行士
 毛利宇宙飛行士が属するブルーチームは、2月16日午後10時14分(同2月17日午後1時14分)に起床し、飛行6日目の作業を開始しました。
 本日、毛利宇宙飛行士はSRTMで取得したデータを記録する高速データレコーダの主担当であり、観測データが途切れないよう随時、装置の状況をチェックし、SRTMのデータを記録している高速データレコーダのテープを交換します。また、自転車漕ぎなど日課のエクササイズを1時間半ほど行います。
 2月17日午前6時20分(同2月17日午後9時20分)頃、毛利宇宙飛行士は、日本の小渕恵三総理大臣と中曽根弘文科学技術庁長官と交信を行う予定です。
 ブルーチームは、2月17日午後2時14分(同2月18日午前5時14分)に就寝する予定です。

 2月16日午前2時49分(同2月16日午後5時49分)から、NASDAとNHKの共同企画として、毛利宇宙飛行士とNHKのスタジオと余市をつないで音声による交信が行われました。その後、鹿児島県熊毛郡の屋久町立岳南中学校と鹿児島県鹿児島郡の三島村大里小・中学校の生徒達と毛利宇宙飛行士との音声による交信が行われました。
 ・NASDAとNHKの共同企画での音声交信
 ・岳南中学校、大島小・中学校との音声交信

 また、2月16日午前8時57分(同2月16日午後11時57分)より、毛利宇宙飛行士がフライトデッキ内の機材について紹介している映像が届きました。(ビデオライブラリNo.12

毛利:スペースシャトルのフライトデッキにようこそ。これから簡単にフライトデッキ内のツアーをしましょう。
 今回のミッションのレーダ観測には、主に2つの機材を使用しています。一つはアンテナの制御を行うためのPGSC(*)、つまりラップトップコンピュータです。アンテナを正確に制御するのは大変です。今回使用しているアンテナは実に60mもの長さで、シャトルで飛行した構造物としてはこれまでで最長のものです。この長いアンテナをバックアップ用を含め、2台のPGSCを使って位置を非常に正確に調整しています。
 もう一つの機材は、データを記録するレコーダです。フライトデッキに3台、ミッドデッキにコンティンジェンシー用にさらに3台あります。3台のうち、ここにある1台はXバンド用、残り2台はCバンド用です。
 フライトデッキにはほかに、地球観測用の機材もあります。これはEarthKAM用のデジタルカメラです。このカメラで撮られた写真を、アメリカ、ドイツ、日本をはじめとする世界中の生徒がすでに1000枚以上活用していると聞いています。ここにはさらに5台のカメラ、そしてここにあるのはHDTV(高精細度テレビ)カメラで、パイロット側の窓から撮影しています。
 このラップトップコンピュータに表示されている世界地図に、現在の飛行位置が表示されています。
(*) PGSC:Payload and General Support Computer

液体挙動に関するデモンストレーション
 なお、2月16日午前10時52分(同2月17日午前1時52分)より、毛利宇宙飛行士たちが軌道上における液滴の挙動に関するデモンストレーションを行った映像が地上におりてきました。(ビデオライブラリNo.13)毛利宇宙飛行士らクルーは、飲料水とストロベリージュースをパックから絞り出し、それらの液滴をタオルで吸い取ったり、混ぜ合わせたり、液滴を糸を使って動きを止めたり回転させたりと、楽しい映像がおりてきました。


本日の毛利宇宙飛行士の食事(予定)
朝食 昼食 夕食
乾燥あんず(IM)
ビーフパティ(R)
スクランブルエッグ(R)
レーズン入りオートミール(R)
クラッカー(NF)
オレンジ・グレープフルーツジュース(B)×2
タ−キーサラダ(T)
トルティーヤ(FF)×2
チョコレートプリン(T)
アーモンド(NF)
グレープジュース(B)×2
スイート&サワーチキン(R)
ポテトグラタン(R)
グリーンピースとマッシュルーム(R)
ピーチネクター(R)
日本茶(FF)×2
ストロベリージュース(B)
出典:http://spaceflight.nasa.gov/shuttle/archives/sts-99/crew/menumohri6.html

I:放射線照射殺菌済み IM:半乾燥状態 R:(温)水を加えて調理する NF:自然状態でパック B:飲み物 FF:生鮮 T:加熱

ウェイクアップコール*
 毛利宇宙飛行士のブルーチームのクルーはJohann Pachebelの「Canon in D」により目覚めて本日の活動を開始しました。この曲は、ヴォス飛行士のリクエストで彼女がピアノを習い始めて最初の段階で弾いたピアノ曲の一つです。

*ウェイクアップコール
 このウェイクアップコールは長年続けられている恒例の習慣です。ミッション期間中毎日、クルーはNASAが用意した様々な音楽で目覚めます。曲はクルーにちなんだものが選ばれています。

出典:http://spaceflight.nasa.gov/gallery/audio/shuttle/sts-99/html/ndexpage.html

最終更新日:2000年 2月 17日

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